めまい薬メリスロンとはどんな薬?認知症への効果なども薬剤師が解説。

みなさんは、めまいを経験したことはあるでしょうか。

 

軽いめまいや一時的なめまいは多くの人が経験したことのあるものだと思いますが、めまいの中には年がら年中続くような本当に辛いものもあります。

 

今までに普通に行けた買い物にも行けないとか、仕事に行けない、電車に乗れないなど、めまいに対して深刻な悩みを抱えている患者さんも少なくありません。

 

今回ご紹介するのは、メリスロンという抗めまい薬です。

 

新しい薬ではありませんので、知っている人が多いとは思いますが、どうやら新しい情報もありますので、その情報についてと、現代の人が多く持つめまいの種類について見ていこうと思います。

 

今回は、メリスロンの概要、また新たに期待されている効果、またメリスロンが効かないめまいについて詳しく説明していきます。

 

メリスロンとは

 

メリスロンは、内耳の血流を増やすことにより、回転性のめまいを和らげる薬です。

 

もともとメニエール病の治療薬として開発された薬ですが、メニエール病だけでなく、メニエール症候群、めまい症に伴うめまい、めまい感の軽減にも適用があります。

 

<用法・用量>

 

通常、成人は1回1〜2錠(主成分として6〜12mg)を1日3回食後に服用します。

 

ただこれは、治療を受ける疾患や年齢・症状により適宜増減されますので、必ず指示された服用方法に従ってください。

 

飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。

 

次に飲む時間が近い場合は、飲み忘れた分は飲まないで1回分を飛ばし、次に飲む時間に1回分を飲みます。2回分を一度に飲んではいけません。

 

誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談するようにしてください。

 

また、医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないようにしてください。

 

メリスロンの副作用って?

 

続いてメリスロンの副作用ですが、発疹、吐き気、嘔吐などが報告されています。

 

もし服用していてこのような症状が出た場合は、担当の医師または薬剤師に相談してください。

 

メリスロンは、メリスロンに対するアレルギーなどがなければ比較的副作用が少ない(副作用がないという医師もいます)と言われている薬です。

 

めまいで苦しんでいる患者さんの中には、30年以上も毎日この薬を服用している人もいますが、薬の副作用は全く出ていないとのことでした。

 

全ての人に副作用が起こらないわけでは決してないですが、発売されてから長い薬ですし、比較的安心して服用ができると多くの薬剤師がイメージする薬と言えます。

 

メリスロンが認知症に効くってほんとですか?

 

ここまで、メリスロンについての概要を説明してきました。

 

知っている内容を復習できたという人もきっと多いと思いますが、ここからは、メリスロンの新たな情報をお伝えしていきます。

 

どうやらメリスロンが認知症に効く可能性があるというのです。

 

しかも忘れてしまった記憶が元に戻るかもしれないという期待まであるそうです。

 

一体どういうことなのでしょうか。

 

北海道大学大学院薬学研究院の野村洋講師、京都大学大学院医学研究科の高橋英彦准教授、東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二教授らの研究グループによると、メリスロンによって脳内のヒスタミン神経系を刺激すると忘れてしまった記憶をスムーズに思い出せるようになるとのことです。

 

人間はものを覚えてから長時間経過すると、記憶は思い出せなくなりますが、ふとした瞬間に思い出したという経験が誰でもあると思います。

 

このように一見忘れたように見える記憶でも、脳内には記憶の情報が残っていると考えられるのだそうです。

 

忘れた記憶を自由に回復させる方法は存在しないようなのですが、メリスロンを服用することによって、忘れてしまった記憶でも思い出せるようになったという結果が発表されました。

 

しかも、特にもともと記憶成績が悪い参加者ほど薬の効果が大きかったそうですので、今後の効果にかなりの期待が持てるのではないでしょうか。

 

今後、アルツハイマー型認知症などの認知機能障害の治療薬の助けになるかもしれませんよね。

 

ただ、メリスロンは医師によっての処方が必要な薬であるため、自己判断で服用を開始したり中止したりということはできません。

 

また、副作用が少ない薬とは言え、絶対にないとは言い切れませんので、記憶回復の目的で服用することはしないでほしいとのことです。

アルツハイマー型認知症などの認知機能障害の治療薬は、現在も存在してはいるものの、効果があまり期待できなかったり、病気の進行を食い止めることしか期待できない薬です。

 

製薬会社が新たな治療薬を必死で開発していますが、いまだ効果があったという結果には至っていない現実があります。

 

忘れていた記憶がよみがえる可能性があるという事実は、患者さんにとってQuality Of Lifeを大きく改善させる期待につながるに違いありません。

 

めまいだけでなく、認知機能障害においてもメリスロンが活躍してくれることを願いたいですね。

 

メリスロンが効かないめまいとは?

 

メリスロンがメニエール病の治療薬として開発されたこと、また、メリスロンではないめまい症に適用されている薬であるということはすでにお話ししました。

 

ただ、この「めまい症」というめまいのほとんどは原因不明のめまいで、メリスロンが効かないことが多いということをご存知でしょうか。

 

「めまい」とひとことで言っても、さまざまなめまいの種類があります。

 

回転性のめまいで知られているメニエール病、

前庭神経炎

突発性難聴からくるめまい、

良性発作性頭位めまい症

頸性めまい

自律神経のアンバランスが引き起こすめまい

 

などです。

 

良性発作性頭位めまい症は、内耳にある耳石が剥がれ落ちてそれが三半規管に入ることでおこるめまいです。

 

耳石は内耳の細胞からそのうち再吸収されるので、症状は自然に消失しますが、早く治るように理学療法的な治療をすることもあります。

 

さて、メリスロンが治療薬として使われるのは、ここに書いてあるめまいの中では、メニエール病の他、一般的にめまい症に分類される頸性めまいや自律神経のアンバランスが引き起こすめまいです。

 

先ほどめまい症は原因不明なことが多いと言いましたが、頸性めまいや自律神経のアンバランスが引き起こすめまいは、血液検査や眼振の検査、MRIなどでは異常が見られないため、原因不明とされることが多いことも覚えておいてください。

 

この頸性めまいや自律神経のアンバランスが引き起こすめまい、私の経験では、メリスロンが効果があったという話は聞いたことがありません。

 

病院の中には、これらのめまいの治療には薬は使わずに電気治療などを進めているところもありますし、めまいを回復させるためのめまい体操を勧めている病院や、抗めまい薬ではなく抗うつ剤などの向精神薬を選択する医師もいます。

 

このようなことなどを考えると、薬剤師が調剤薬局の投薬の時や、病院のベッドサイドの服薬指導時にメリスロンを説明するときは、患者さんのめまい症状を良く聞いて、効果がなければ別の治療法を考えることも重要だということを伝えることも必要なのではないかと思うのです。

 

めまいを持つということは、持った人にしか分からない辛さがあります。

 

一日中めまいが起こっている状況を想像してみてください。

 

家の中にいても、いつも風景が揺れていて気持ち悪いですし、外に行っても倒れてしまうのではないかという不安があるため、一人で気軽に出かけることができません。

 

また、デパートの陳列棚がめまいを増強させ、おちおち買い物もしていられないという人もいます。

 

寝ていても揺れを感じるため、睡眠をとることさえ難しいのに、その揺れから逃れることができないのです。

 

また、めまいがおこっていることは本人しか感じないので、周りから見ると健康そうに見えるということもめまいの辛さを倍増させます。

 

このようなことを考えると、効果のない薬を続けているよりも他の治療法を試して少しでも状態を良くしてあげたいと多くの薬剤師が思うはずです。

 

頸性めまいや自律神経のアンバランスくるめまい

 

メリスロンでは効果がないと思われている頸性めまいや自律神経のアンバランスが引き起こすめまいは、同じ原因からくるとも考えられています。

 

頸性めまいは肩こりや首こりから発生すると考えられているめまいですが、自律神経である副交感神経はこの首の上部の位置に集まっていて、首コリが原因で自律神経のアンバランスを引き起こしている可能性があるからです。

 

つまり、一日中スマートフォンを見てクビに負担をかけていたり、猫背でパソコンをしていたりすると、首が凝り、自律神経がアンバランスになりめまいがおこる可能性が高くなるということです。

 

現代病であるこのめまいに、現在も苦しんでいる患者さんが大勢います。

 

この患者さんたちに対して薬剤師が何ができるのか考えることも必要ですよね。

 

まとめ

 

今回は、抗めまい薬であるメリスロンとめまいについて詳しく見てきました。

 

メリスロンがめまいだけでなく、記憶改善にも役立つ可能性があるということ、まためまい症には効果がないこともあることなどが分かったのではないでしょうか。

 

現在は、スマートフォンやタブレットが生活必需品になっています。

 

また、小学生からプログラミングの授業が始まるということで、パソコンに向かう時間も今よりも長くなることが予想されます。

 

このようなことから今後、頸性めまいや自律神経のアンバランスが引き起こすめまいを訴える患者さんがもっと増えるのではないかととても心配です。

 

めまいを持つ患者さんは、まず初めにメリスロンなどの抗めまい薬を試すことがほとんどですが、効果がないと耳鼻科から脳神経外科、眼科、心療内科など、具合の悪く不安の中、病院を渡り歩いて原因を探るために多くの検査を受けることになります。

 

メリスロンの薬が処方された患者さんに、「これはめまいを抑える薬です。」と説明する薬剤師が多いと思いますが、これがその患者さんに適切な表現であるかをもう一度よく考えてほしいです。

 

原因不明のめまいで苦しんでいる患者さんに対してそのような説明をすれば、絶対に効くはずと思ってしまいますし、服用してもし効かないと実感すればその分不安も強くなってしまいうことが考えられますよね。

 

薬剤師が患者さんの訴えをよく聞き、一人一人の患者さんに対して適切な情報提供ができれば、多くの患者さんが救われるということを忘れないでください。

 

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