精神科専門薬剤師とは?定義や申請方法について

 

 

現代社会には、精神を病んだ患者さんが多くいます。

 

ストレスの多いこの世の中で、精神を病むということは決して他人ごとではなく、精神科を身近に感じる人も増えているのではないでしょうか。

 

しかしその一方で、精神科の助けが必要なのにもかかわらず、精神科にかかることに対して消極的な人もめずらしくありません。

 

「薬漬けされるのが嫌。」「精神がおかしいと思われたくない。」「社会復帰が難しくなる。」など、さまざまな不安が根底にあるのだと思います。

 

今回ご紹介する精神科専門薬剤師は、精神科の疾患を患う患者さんに対して薬の安全な服用と、社会復帰をサポートするためにできた資格です。

 

薬のエキスパートとしてどのようなことが求められているのか、また、精神科専門薬剤師になるためにはどのような条件を満たすことが必要かなどを紹介していきます。

 

精神科薬剤師とは?

 

精神科専門薬剤師とは、精神科薬物療法に関する高度な知識と技術、臨床経験を持ち、精神疾患を患う患者さんへの適切で安全な薬物治療の提案や、患者さんの治療と社会復帰に貢献する精神科の薬のエキスパートです。

 

精神科にかかる患者さんの処方箋を見たことがある薬剤師は分かると思いますが、多くの患者さんは処方箋が何枚にもわたるほど数多くの薬を服用していますよね。

 

患者さんの立場に立って考えてみたら、

 

「こんなに飲んで大丈夫なのか?」

「これをいつまで飲まなければいけないのか?」

「依存性はないのか?」

「薬を止めるときに脱離症状などは出ないのか?」

「長く飲み続けて効かなくはならないのか?」

 

など、不安が尽きないだろうということが手に取るように分かるのではないでしょうか。

 

精神科専門薬剤師は、薬の提案だけでなく、このような患者さんの不安を少しでも取り除くためのアドバイスをしていくことも仕事のうちの一つです。

 

<精神科専門薬剤師の定義>

 

精神科専門薬剤師は日本病院薬剤師会が認定している資格ですが、日本病院薬剤師会は精神科薬剤師の定義を次のように定めています。

1.精神疾患の病態と患者特性を十分理解していること

2.向精神薬の薬理作用を十分理解していること

3.高度な薬物療法に関する知識と多くの臨床経験を持ち、患者個々の症状や状況に合った薬物療法を医師、患者の双方に提案できること

4.向精神薬による副作用の予測ができ、その解決方法を熟知し、医師、患者の双方に提案できること

5.精神疾患患者との良好なコミュニケーションができ、薬物療法について話し合うことができること

6.適切な薬物療法の提供による精神疾患患者の社会復帰を支援し、地域においても薬学的管理ができること

7.精神科薬物療法に関する研究ができること

8.精神科医療及び精神保健福祉を十分理解していること

以上を満たす薬剤師を精神科専門薬剤師としているそうです。

 

精神科の薬の知識はもちろん、コミュニケーション能力も必要とされていることが書いてありますよね。

 

精神科の患者さんの中には、コミュニケーションが苦手な患者さんもいるため、精神科専門薬剤師は話術だけでなく聞く力や相手の思いを読み取る力も大切な技術になってくるはずです。

 

精神科専門薬剤師の申請条件

 

精神科専門薬剤師はの認定を申請するには以下の条件をクリアしていることが必要になります。

 

(1)申請時において精神科薬物療法認定薬剤師であり、かつ、日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本生物学的精神医学会、日本病院・地域精神医学会、日本社会精神医学会、日本老年精神医学会、日本精神科救急学会、日本認知症学会、日本精神薬学会のいずれかの会員であること。

(2)日本医療薬学会、日本薬学会、日本薬剤師会学術大会、上記精神科領域の学会、関連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、精神科領域に関する学会発表が3回以上(うち、少なくとも1回は発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に精神科領域の学術論文が2編以上(うち、少なくとも1編は筆頭著者)の全てを満たしていること。

(3)病院長あるいは施設長等の推薦があること。

(4)日本病院薬剤師会が行う精神科専門薬剤師認定試験に合格していること。

 

病院長や施設長の推薦という条件があるので、勤務している職場も大きく関係します。

 

資格取得を考え転職する場合は、申請条件も考慮して転職先を選びましょう。

 

最近よくネットで見かけるベンゾジアゼピン系薬の問題

 

向精神薬として多くの人たちに使われている薬としてベンゾジアゼピン系向精神薬が挙げられます。

 

ベンゾジアゼピン系の薬は、抗不安薬、睡眠薬、筋弛緩薬などとして使われる薬剤ですが、即効性があり使いやすいため、眠れない時に頓服として使っている人も割と多いのではないでしょうか。

 

さて、このベンゾジアゼピン系の薬について、ネットなどで、「依存性があるから怖い」、「脱離症状で苦しんだ」などの口コミを最近よく見かけます。

 

また、それらの口コミを見た人が、「怖くなって突然止めたら、何日も眠れなくなってしまった。」とか「睡眠剤を処方されたけど飲むのが怖い。」ということで、新たな病気の症状が出てきてしまったり、病気を治療できなくなってしまったりするような問題も起こっているようです。

 

たしかに諸外国と比べると、日本はベンゾジアゼピン系の薬を多く処方する傾向があります。

 

2週間程度の処方が一般的な海外に対して、日本は病状によって数か月処方する場合もあるくらいです。

 

長期投与を心配する気持ちは痛いほどわかりますが、ネットでの情報だけで、途中で勝手に薬を止めてしまったりすると、リバウンドで眠れなくなったり頻脈になったりしますし、また、治療しなければいけない病気が治療できないということにもなりかねません。

 

服用を中止するならば、専門家の意見を聞いて自分の病状の様子を見ながら、徐々にやめることが必要です。

 

このようなときに、精神科専門薬剤師がアドバイスできればこのような問題も防げるのではないでしょうか。

 

「薬を悪いものと考えて飲んでしまうと効かない。」「まずは治療をして症状を良くしてから薬を止めることを考えましょう。」など経験豊富な専門家だからこそできるアドバイスも患者さんにしてあげられると思います。

 

今後、精神疾患を患う患者さんはどんどん増えていくでしょうし、ネットの不安をあおる情報もヒートアップすることが予想されますので、精神科専門薬剤師の活躍の機会がいっそう増えるに違いありません。

 

まとめ

 

今回は、精神科専門薬剤師について定義や申請条件について見てきました。

 

資格の申請条件を確認すると同時に、現代のストレス社会において精神科専門薬剤師の活躍が今後、より期待される可能性が高いことなども分かってきたのではないでしょうか。

 

精神科の疾患は、どんなに辛くても他人から理解されないことが非常に多いです。

 

たとえば、鬱を患っていても、「心が弱い。」「怠けるための言い訳だ。」と言われてしまうことも少なくありません。

 

そのような辛い経験をしてしまい、社会復帰することがトラウマになってしまう人もいるでしょう。

 

薬物治療の知識や経験を生かしてそのような人たちを少しでも元気にし、社会に復帰させることができる精神科専門薬剤師を目指してほしいと思います。

 

年収UPさせる!薬剤師のお仕事を無料検索(全国の求人情報)

「今より年収をUPさせたい。。」
「残業が辛い。。」
などを感じている方には、転職すべきタイミングです。


下記の記事では厳選の転職サービス比較をしています。気になる方は見てみてください。  

【年収UP】 厳選転職比較を見てみる>>


     

   

 - 病院の薬剤師