チュージングワイズリーとは?薬剤師の果たす役割・関係性を解説します。

 

 

チュージングワイズリーと言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 

あまり聞き慣れない言葉で何のことを言っているのか分からないという薬剤師が実際には多いのではないでしょうか。

 

チュージングワイズリーは、「患者さんのための医療」にとても深く関わっているある国際的なキャンペーン活動のことをいいます。

 

医療に関わっているとなると、その活動がどんな内容なのか、また薬剤師がどのようにそれに関わっていく必要があるのかは、薬剤師として知っておきたいところですよね。

 

今回は、このチュージングワイズリーの意味や活動、また薬剤師がこの活動のために何ができるのかを見ていこうと思います。

 

チュージングワイズリーとは

 

チュージング・ワイズリー(Choosing Wisely)とは、日本語で「賢く選択すること」という意味です。

 

では、何を賢く選択するするのでしょうか。

 

それは、適切な検査、適切な薬剤、適切な手術を賢く選択するということ。

 

チュージングワイズリーは、無駄で過剰な治療や検査をしない、患者さんに負担の少ない医療を目指すという国際的なキャンペーン活動のことを言います。

 

医療職に就いている私たちがカルテや処方箋を見ると、ときどき「この薬や検査、本当にこの患者さんに必要なのかな。」と気付くことはないでしょうか。

 

たとえば、風邪薬をもらいに行っただけなのに、多くの項目で血液検査されていたり、ベンゾジアゼピン系の薬を何年も処方されていて、耐性がついているだろうと予想されるのにいまだに処方がストップされていなかったりというようなことです。

 

また、ポリファーマシーという薬剤の多剤併用を意味する単語を聞いたことのある薬剤師も多いと思います。

 

チュージングワイズリーはこのような場合に、エビデンスに基づいた賢い選択を行うよう呼び掛けているのです。

 

チュージングワイズリーはどこの国で行われている?

 

チュージングワイズリーは、米国内科学会、米国内科専門医機構 (ABIM)財団、欧州内科連合が公表した『新ミレニアムにおける医のプロフェッショナリズム:医師憲章』が基になっているそうです。

 

チュージングワイズリー活動は、現在、アメリカ、カナダ、イタリア、スイス、イギリス、オーストラリア、日本など世界各国で行われています。

 

余分な医療費が多いと言われている日本ですが、このチュージングワイズリーに積極的に参加をし、世界に恥じないような無駄のない医療を目指していきたいですね。

 

チュージングワイズリージャパンとは

 

チュージングワイズリージャパンとはチュージングワイズリーの活動を行っている任意団体です。

 

セミナーや公開フォーラムなどのさまざまな活動をしていますが、誰でも参加可能ですので、興味があるテーマがある時には参加してみてはいかがでしょうか。

 

詳しくは、チュージングワイズリージャパンのホームページのお知らせを見てみてください。https://choosingwisely.jp/

 

考え直すべき5つのリストとは?

 

アメリカでは、 70 以上の臨床系の専門学会が、医療者、患者双方が考え直すべき『5 つのリスト』を作成しています。

 

『5つのリスト』は、その根拠となる文献とともに、インターネット上に公開されていますが、日本では、総合診療指導医コンソーシアムが、以下に挙げる『5つのリスト』を発表しました

 

■5つのリスト■

1)健康で無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診プログラムを推奨しない

2)健康で無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない

3)健康で無症状の人々に対して MRI 検査による脳ドック検査を推奨しない

4)自然軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない

5)臨床的に適用のないル-チンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない

 

日本での過剰な検査や薬剤投与が減らないのはなぜ?

 

日本の過剰な薬剤や検査はなぜ減らないのか疑問に思ったことの薬剤師も多いと思います。

 

実はその根底にあるのは、検査費や薬の処方によって医療機関の収入が大幅に増えるという事実です。

 

検査や薬剤は普段の診察に比べて点数が高く、医療機関の大きな収入源になっていると言っても過言ではありません。

 

たとえば、よく「とにかく早期発見!」「検査が大事!」とテレビなどで言っているのを聞いたことがないでしょうか。

 

健康を守るという意味のほかに、検査をすれば医療機関が儲かる。

 

逆に検査をしなくなってしまったら、医療機関側が困るという意味も含まれているのではないかとその言葉を聞くたびに思ってしまいます。

 

たしかに検査をしたおかげで早期発見ができ、命が助かったということはないわけではないですが、そこばかりに注目すると隠れた危険性を見逃してしまうことにもつながりかねません。

 

たとえば、余分な検査をして放射線などを浴びすぎたせいで発がんしてしまったり、自然に消えてしまうような小さいがんを検査で見つけて不必要な手術をしたりという危険性についてはメディアではあまり触れられていないことですよね。

 

医師の中には、「検査が大事。」と言い続ける人もいれば、「逆に検査は最小限でいい、それよりも具合が悪くなった時に自分で気づけるように普段から神経を研ぎ澄ませてほしい。」と言う医師もいます。

 

また、医療機関に勤務していると、医師に限って健康診断を長年受けていないことがよくあるのではないでしょうか。

 

検査や薬剤投与は適切なものだけをすることが大切です。

 

医療機関の経済的な目的のために余分な検査や過剰投与を行い続ければ、医療費はいつまでたっても削減できませんし、患者さんにとっての負担も重くなるということは忘れないでください。

 

 

チュージングワイズリーで薬剤師ができること

 

前項では検査を例にしましたが、余分な薬剤投与を減らすために薬剤師が一体何ができるのかをこの項目では考えていきましょう。

 

薬剤師ができるのは処方箋からの情報と患者さんからの情報から余分な薬を見抜き、医師に疑義照会すること。

 

そして、何より大事なのは、患者さん自身に病識を伝え、患者さんが自分で判断できるようになるためのサポートをすることではないでしょうか。

 

たとえば、処方箋からは、多剤投与や重複投与はもちろん、長年で処方されている薬に対して疑問を持つことができます。

 

また、患者さんの情報から、効き目がないのに飲み続けていたり、残薬があるのにまた処方されていたりということもチェックできますよね。

 

処方権は医師にありますが、このような疑問関して医師に問い合わせをし、少しでも無駄な薬剤を省く努力は薬剤師でもできるはずです。

 

そして、患者さんに病識をつけるお手伝いをすることもとても重要です。

 

患者さん自身が自分の処方や検査に関する疑問を持ち、一人一人がその疑問を訴えられるようになれば、チュージングワイズリーが活動している内容の実現により近づくことができるのではないかと思います。

 

まとめ

 

今回は、チュージングワイズリーについてその活動内容などを見てきました。

 

チュージングワイズリーが実現し、余分な検査や薬剤投与、手術を減らすことができれば、医療費削減や患者さんの負担を軽減することができるということが分かったのではないでしょうか。

 

今まで私たち薬剤師は、処方された薬についての相互作用や、重複投与をチェックし、問い合わせすることはあっても、長年漠然と投与され続けている薬や効き目がないと思われる薬に対して医師に処方カットを提案するということはなかなかしてきませんでした。

 

今後は、本当の意味での「患者さんのための医療」となるチュージングワイズリーを目指すため、薬剤師も積極的に余分な薬剤投与カットの提案をしていかなければいけない時代になるでしょう。

 

医療機関の収益の問題など、複雑な事情があったとしても、少なくとも薬剤師は、いつでも患者さんの味方でいたいですよね。

 

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