薬剤師が結婚後(婚姻届提出後)にすべき手続きを順番に分かりやすく解説。
結婚して姓が変わるとさまざまな手続きが必要になります。
銀行口座や自動車免許証、パスポートの書き換えなどやらなければいけないことが盛りだくさんです。
そして、薬剤師免許を持っている私たちは、薬剤師としての変更手続きも行わなければいけませんよね。
薬剤師免許や薬剤師名簿、保険薬剤師登録など、私たちの名前は薬剤師としていくつかのところに登録してありますが、変更しなければいけない事実は知っていても、実際に一体何をどのように手続きをするべきか具体的なことが分からない人も多いのではないでしょうか。
今回は、結婚後に名前が変わった時に何を手続するべきなのかを整理してお話していきます。
Contents
まずは薬剤師名簿の訂正手続きから!
薬剤師法施行令第5条第1項には、薬剤師は、前条第二号の登録事項に変更を生じたときは、三十日以内に、薬剤師名簿の訂正を申請しなければならない。と記載してあります。
つまり薬剤師は、本籍地都道府県名(日本国籍の有しないものは、その国籍)、氏名、生年月日及び性別に変更がある場合には、薬剤師名簿の訂正を申請しなければならないということです。
結婚によって姓が変わったら、かならず薬剤師名簿の訂正手続きを変更が生じてから30日以内に行いましょう。
また、姓が変わらなくても結婚により引っ越し、本籍地が変わった場合も薬剤師名簿の変更が必要です。
<薬剤師名簿の訂正手続きの方法>
薬剤師名簿の訂正手続きに必要な書類は、
〇薬剤師名簿訂正申請書 1通
〇戸籍謄本または戸籍抄本(発行日翌日から起算して6か月以内のもの)1通
〇登録免許税として1000円の収入印紙
です。薬剤師名簿訂正申請書は、https://shinsei.e-gov.go.jp/search/servlet/Procedure?CLASSNAME=GTAEGOVMSTDETAIL&id=4950000002868&fromGTAMSTLIST=true&dspcnt=10&keyword=%96%F2%8D%DC%8E%74&keywordOr=0&HushoSeqNo=0000000033&denshiKahi=&displayHusho=1&frompos=81#section2のページの申請様式の欄に『薬剤師名簿申請書』とありますので、それをクリックするとダウンロードできます。
その用紙に必要事項を書き込み、1000円の収入印紙を貼り付けて、戸籍謄本/抄本と一緒に住所地の保険所(取り扱っていない地域は都道府県庁)に持参して手続きを行ってください。
提出期限は、変更後30日以内です。
もしも30日を過ぎてしまったら、遅延理由書https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/109421.pdfの提出も必要になります。
余計な手続きが増えないように、変更後は速やかに訂正手続きをしてくださいね。
次は調剤印や印鑑の名前変更をしよう!
薬剤師名簿の変更手続きが済んだら、次は印鑑や調剤印の氏名の変更をしてください。
調剤印・印鑑は薬剤師が調剤するうえで必ず必要なものになりますから、前もって会社に伝えておき、名前が変更した後にすぐに新しい名前の印鑑を使えるようにしておくと、なお良いでしょう。
調剤薬局で働いている人は保険薬剤師の変更手続きも必要
調剤薬局で働いている薬剤師は保険薬剤師登録をしていると思いますが、登録名に変更があった場合は保険薬剤師の変更手続きも行う必要があります。
保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令第16条第1項には、
保険医又は保険薬剤師は、次の各号の一に掲げる事由(氏名に変更があった時など)が生じたときは、速やかに、その旨及びその年月日を登録に関する管轄地方厚生局長等に届け出なければならない。この場合において、その届出が第一号に係るものであるときは、その事実を証する書類を、その届出が第三号に係るものであるときは、登録票を添えなければならない。ということが定められているからです。
<保険薬剤師の変更手続きの方法>
保険薬剤師の変更手続きに必要な書類は、
〇保険医・保険薬剤師の氏名変更届
〇保険薬剤師の登録票
〇戸籍抄本
です。保険医・保険薬剤師の氏名変更届は、各都道府県の厚生局のホームページからダウンロードしてください。
これに必要事項を記入し、保険薬剤師登録票と戸籍抄本と一緒に保険薬剤師の登録を行った都道府県を管轄する地方厚生局事務所に提出すると手続きが完了します。
提出の方法は、厚生局事務所に直接出向く方法と郵送で提出する方法が選べます。
結婚後はいろいろと手続きがあり、大変ですから郵送を選べるのは助かりますよね。
ちなみに直接出向く場合ですが、印鑑が必要なこともあるそうなので忘れずに持っていきましょう。
提出の期限は、薬剤師名簿のように決まった機関があるわけではありませんが、『速やかに提出する』ということが決められていますので、なるべく早く手続きをしたほうがいいです。
薬剤師免許の書き換えは希望者のみ
結婚後、姓が変わったら薬剤師免許を書き換えなければいけないと思っている人が多いですが、実は薬剤師免許の書き換えは希望者のみになっています。
薬剤師法施行令第8条第1項には、薬剤師は、薬剤師免許証(以下「免許証」という。)の記載事項に変更を生じたときは、免許証の書換交付を申請することができる。と書いてあります。
つまり申請をしなくてはならないものではないということです。
ただ、職場での氏名と免許証上の氏名が違っていると、手続きがスムーズに進まなくなる原因にもなりますからなるべく薬剤師免許の氏名変更も行っておいた方が良いと思われます。
<薬剤師免許証の書き換えの手続きの方法>
薬剤師免許証の書き換えに必要な書類は、
〇薬剤師免許証書簡交付申請書1通
〇戸籍謄本または抄本(発行日から起算して6か月以内のもの)1通
〇薬剤師免許証
〇登録済証明書用葉書(表面に本人の宛先、裏面には氏名のみ記入し、切手を貼ったもの)
*希望者のみ、切手は63円の切手を貼付、速達を希望する場合は353円の切手を貼付。
〇2750円分の収入印紙
です。薬剤師免許証書簡交付申請書は、https://shinsei.e-gov.go.jp/search/servlet/Procedure?CLASSNAME=GTAEGOVMSTDETAIL&menSeqNo=0000006765&id=4950000002869のページの申請書様式欄にある薬剤師免許証書簡交付申請書をクリックするとダウンロードできます。
これに必要事項を記入し、2750円分の収入印紙を貼ってください。
薬剤師免許証書簡交付申請書、薬剤師免許証、戸籍謄本/抄本をもって住所地の保険所に提出をすれば手続きが完了します。
提出期限は特にないので、都合が良いときに手続きをすると良いと思います。
<旧制併記も可能に!>
2019年6月から、薬剤師免許証に旧姓を併記することが可能になりました。
旧姓で働きたいという人や、旧姓で実績を上げてきた人には朗報ですよね。
旧姓併記を希望する場合には、薬剤師免許証書簡交付申請書の旧姓併記の有無のところの有にチェックをし、旧姓を記入してください。
まとめ
今回は、結婚後にするべき薬剤師の手続きについて見てきました。
薬剤師としてやらなければいけない手続きや、希望者のみ行えばいい手続きを整理することで、やるべきことに優先順位をつけられたのではないでしょうか。
結婚して姓が変わる方は、手続きに追われ一時的に大変な思いをします。
姓が変わらない方のかたには、そのことを思いやって、家事を手伝うなど、自分ができることでパートナーをサポートしてあげてほしいです。
2020/03/04