緩和薬物療法認定薬剤師の取得方法と仕事内容とは

 

 

私がまだ薬学生だったのとき、アメリカに留学経験のある講師の先生から「アメリカでは、病気で死ぬならがんで死にたい人が多い。」と言うことを聞きました。

 

がんは非常に苦痛を伴う病気であるとその当時から知っていた私は、「どうしてそのような人がアメリカでは多いのか」と疑問に思ったことを今でも覚えています。

 

先生曰く、「アメリカでは麻薬の量を十分に使うことで痛みをとる治療が進んでいる。がんで死にたいというのは、がんにかかっても痛みを感じることなく普通の生活をしながら死ねるからだよ。」とのことでした。

 

そして現在日本でも、がん患者さんの苦痛を取り除くため、痛みの緩和ケアに取り組んでいる病院やホスピスが、少ないですが存在しています。

 

これらの施設では、「痛みの緩和チーム」とよばれるさまざまな種類の医療スタッフで構成されるチームが、一丸となって患者さんの痛みのコントロールをしようとしているのです。

 

痛みのコントロールはやはり薬剤で行うものですので、チームの中での薬剤師の役割は、必然的にとても重要なものになってくることが簡単に想像できますよね。

 

今回ご紹介する緩和薬物療法認定薬剤師は、痛みの緩和に必要な知識や患者さんとのコミュニケーション能力を持ち合わせた薬剤師が今後もっと必要になるということでできた認定資格です。

 

それでは、緩和薬物療法認定薬剤師についてその仕事内容や資格の取得方法について見ていきしょう。

 

緩和薬物療法認定薬剤師とは

 

緩和薬物療法認定薬剤師とは、がん患者さんの痛みの緩和をとるケアにおいて、緩和薬物治療に貢献できる知識や技術を持っていると認められた薬剤師です。

 

病院の緩和ケア病棟やホスピスの中にある痛みの緩和チームの一員として働くのが一般的ですが、今後は一般病棟や在宅などで、がん患者さんの痛みをとり、Quality Of Lifeの向上をサポートすることも求められます。

 

緩和薬物療法認定薬剤師という名前から、緩和薬物治療のみを勉強するイメージを持つ人もいると思いますが、資格取得や仕事において、化学療法や放射線治療などのがん治療の全般知識も必要です。

 

耐え切れない痛みを患者さんから取り、患者さんを笑顔にできる仕事は、薬剤師にとってこの上なくやりがいのある仕事と言っても過言ではありませんよね。

 

出願資格 日本緩和医療薬学会

 

それでは次に緩和薬物療法認定薬剤師の出願資格について見ていきましょう。

 

1.日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること

2.申請時において、薬剤師としての実務歴を5年以上有する日本緩和医療薬学会の会員であること。

3.申請時において、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、あるいは日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、あるいは日本医療薬学会認定薬剤師のいずれかであること。

4.申請時において、引き続いて3年以上、緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有している病院、診療所等のいずれかの施設において緩和ケアに従事している薬剤師であること(所属長の証明が必要)、あるいは申請時において、引き続いて3年以上、麻薬小売業者免許を取得し、かつ、がん診療を行っている在宅療養支援診療所等の医療機関と連携する保険薬局等に勤務し、緩和ケアに従事していること(依頼する医師および薬局開設者の証明が必要)。

5.過去5年以内で、かつ、日本緩和医療薬学会会員として認定対象となる講習等を所定の単位(計100単位、毎年20単位)以上履修していること。過去5年以内に、疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会(がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用推進のための講習会)(厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター等主催)に1回以上参加していること。

6.薬剤師として実務に従事している期間中に、日本緩和医療薬学会年会あるいは別に規定する学術集会において緩和医療領域に関する学会発表(一般演題)を2回以上(少なくとも1回は発表者)行っていること。

7.病院等に勤務する薬剤師は緩和ケア領域薬剤管理指導の実績について日本緩和医療薬学会所定の様式に従い30症例提示できること。保険薬局に勤務する薬剤師は緩和ケア領域服薬指導等の実績について日本緩和医療薬学会所定の様式に従い15症例提示できること。

8.所属長(病院長あるいは施設長等)または保険薬局においては開設者の推薦があること。

9.上記 1~8のすべてを満たした者は日本緩和医療薬学会が行う緩和薬物療法認定薬剤師認定試験を受験できる。

10.認定試験に合格した者は認定の申請を行うことができる。

注)5.における所定の単位は日本緩和医療薬学会入会後の履修に限る。

とあります。

緩和ケアに携わっていないといけないということや学会発表が必要なことなどから、条件が少し厳しいと感じた人も中にはいるのではないでしょうか。

 

出願方法

 

審査料10000円を緩和薬物療法認定薬剤師認定委員会に振り込み、振込受領証をA4の白紙に貼り付けアップロード。

 

その後Web登録をします。(申請は全てホームページからのWeb登録システムで行います。http://jpps.umin.jp/test/application.html

 

 

受験選考を経て認定試験を受験

 

出願後受験選考を経て認定試験を受験しますが、受験できない場合もあるので以下のことには気を付けてください。

 

  • 申請書類は正確かつ適切にご記入するようにしてください。
  • 症例報告書についても審査されます。誤りの多い記載や正当性の欠ける内容、他の応募者と類似する内容などは、受験を認められない場合があります。
  • 書類不備のある方、推薦状のない人は受験できません。
  • 締め切り期日までにその年度までの年会費を完納していない人は受験できません。
  • 筆記試験の受験を許可されたにも関わらず、無断で当日欠席した場合、受験許可は無効になります。翌年度以降の受験には新規申請と同様の手続きが必要となります。

 

せっかく申請条件を満たしても受験できないこともあるということですから必ず注意しましょう。

 

試験料は20000円で、試験会場は星薬科大学です。

受験票には写真を2枚貼付してください。

 

不明な点がある場合は認定Q&Aをhttp://jpps.umin.jp/test/参考にしてください。

 

まとめ

今回は、緩和薬物療法認定薬剤師についてその資格取得条件や、仕事内容について見てきました。

緩和薬物療法認定薬剤師の出願資格を満たすことがそもそも厳しいと思った薬剤師も多いと思いますが、それと同時に今後の痛みの緩和ケアにおける緩和薬物療法認定薬剤師の大きな活躍の可能性も感じることができたのではないかと思います。

痛みのケアが進んでいる緩和ケア病棟やホスピスは日本ではまだまだ数が少ないそうです。

一日中強い痛みがあり、苦痛を訴える患者さんのことを想像するだけで胸が痛くなりますよね。

一般病棟でも痛みの十分なケアが受けられるように緩和薬物療法認定薬剤師が今後もっと増えていくことを心からお祈りしています。

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