薬剤師が仕事を辞めたいと思う原因5つ!薬剤師が語る。心地よく働けるための対策とは
仕事をしている人は誰でも一度は仕事を辞めたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
仕事をする時間は生活の中で一番多い時間になるため、できれば心地よく働きたいと思いますよね。
薬剤師も同じで、職場環境や自分の能力などに悩み、仕事を辞めたいと考えている人が大勢います。
果たして薬剤師はどのような理由で仕事を辞めたいと思うのでしょうか。また心地よく仕事をするためにはどのような対策があるのでしょうか。
今回は、薬剤師が仕事を辞めたい理由を5つ挙げ、その対策などを考えていきます。
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薬剤師が仕事を辞めたいと思うときその1:調剤ミスを起こして患者さんに迷惑をかけたとき
多くの薬剤師は、調剤ミスを起こした時に薬剤師の仕事をすること自体を止めてしまいたいと思うのではないでしょうか。
薬剤師の仕事は人の命に関わる責任の重い仕事であるため、ミスは許されませんが、薬剤師も人間ですので体調が悪かったり疲れていたりすることが重なるとどうしてもミスを犯してしまうこともあります。
ミスを犯して何事も起こらなければ反省して次につなげることもできますが、もしもそのミスが患者さんに健康被害を与えてしまったり、迷惑をかけてしまったりしたとなると薬剤師を続ける自信を失いかねません。
「自分には薬剤師の仕事は向いていないのではないか」、「薬剤師を続ける資格はないのではないか」と思い、薬剤師を辞めることを決意する薬剤師も意外と多いです。
もともと薬剤師になる人は、責任感が強い上に患者さんを助けたいと思っている人が多いため、患者さんに被害を与えてしまったことで自分を責める傾向があります。
それに加えて、職場においても犯したミスについて上司から責められたりレポートを書かされたりすることで余計に心の負担が重くなってしまうのでしょう。
たしかに、自分が犯してしまったミスに対して反省し、悔い改めることは必要不可欠ですが、必要以上に落ち込んでしまえば、その精神状態がその後のミスを誘発する原因にもなってしまいます。
また、一生懸命に勉強してせっかく薬剤師になったのに、ミスしたからといって辞めてしまってはもったいないですし、今後助けてあげられる患者さんにとってもあまり良いこととは言えないのではないでしょうか。
大きなミスを万が一犯してしまったら、一旦立ち止まり、なぜミスが起こってしまったのかを冷静に考え、二度と同じミスを起こさないように細心の注意を図ること。
そして、被害に遭われた患者さんに誠心誠意謝ること。
その後は気持ちを入れ替えて次の患者さんのためにまた一生懸命働くこと。
以上の3つのことを頭に入れて薬剤師の仕事を続けましょう。
私は、ミスを最小限にするために新人薬剤師に「反省はするべきだけど、気にしすぎてはいけない。」とよく伝えています。
自分を精神的に必要以上に追い込まないことが自分だけではなく患者さんのためにもなるということは忘れないでくださいね。
薬剤師が仕事を辞めたいと思うときその2:職場の人間関係が難しいとき
これは、どの職場でもあることですが、職場の人間関係に悩んだときはだれでも仕事を辞めてしまいたいと思う傾向があります。
薬剤師の世界でも同じです。薬剤師だから、医療職だからと言って全員が全員、心の優しい人ではなく、中には意地の悪い薬剤師も残念ながらいます。
また、薬剤師同士の人間関係は問題がなくても、他の部署の人とのトラブルで悩んでいる人もいるでしょう。
人間関係で悩んでしまうと、いくら仕事の内容が好きでも仕事をすること自体が楽しいと思えなくなってしまいますよね。
私の知り合いの中に、総務の人間からあることで執拗に責められた結果、その総務職員の態度に恐怖を覚えて仕事を辞めてしまった人がいます。
薬剤師の仕事には何の問題もなかったのにです。
これは人間関係のトラブルは、たとえ他部署との間で起こったとしても、仕事を辞める決断をさせてしまうこともあるくらい大きなことだという例の一つだと思います。
人間関係に悩んだ時の対策ですが、これは相手次第で変わってくるのではないでしょうか。
ただ単に仕事がスムーズにいかずに上司や先輩から怒られた程度なら、現在の職場にとどまって自分が成長する努力をしながら働き続けたほうがいいと思います。
しかし、先ほどお話した知り合いの例のように相手の執拗な性格に脅威を感じてしまったような場合にはさっさと次に転職して心地の良い環境で働いたほうが自分のためでしょう。
「どこの職場に行っても嫌な人がいるのだからどこに行っても同じ」とよく言う人がいますが、私は転職をしたことで人間関係にそれほど悩まなくなった例をたくさん知っています。
どの職場に行っても人間関係の問題はあるけれど、それが耐えられる程度の問題であるのかそうではないのかは職場によって全く違うということです。
仕事をする上で我慢することももちろん大切ですが、職場への滅私奉公はおすすめできません。我慢の限界を感じたら思い切って転職に踏み切ってぜひ自分に合う職場探しをしてもらいたいですね。
薬剤師が仕事を辞めたいと思うときその3:毎日同じ仕事の繰り返しにうんざりしたとき
ほとんどの薬剤師の仕事は毎日同じことの繰り返しで、目新しいことはほとんどありません。
強いて言えば、服薬指導する患者さんや調剤する処方箋の内容が日々変わるくらいで、働く内容が変わることはほとんどないのが実際のところです。
薬剤師になりたての頃は新しい仕事を覚えるのが楽しくて気が付きませんが、仕事に慣れていくにつれて同じことの繰り返しの仕事に対してうんざりし始める人もいます。
薬剤師によっては、薬を作っている工場で流れ作業をしているように感じてしまうくらいです。
薬剤師はそもそも化学のスペシャリストであり、物事に対して科学的に深く追求するのが好きな人が多いですよね。
それにもかかわらず、実際の仕事では治療法を試行錯誤するわけでもなく薬を選択するわけでもありませんので、毎日の決まった単純作業が退屈に感じてしまうのも無理はありません。
もしもこのように感じている薬剤師がいましたら、対策として試行錯誤が必要な仕事に転職することをおすすめします。
たとえば、チーム医療が盛んにおこなわれている大きな病院では、薬剤師の意見が治療に必要とされているため他の医療職の人たちと一緒に患者さんの治療法について考えることができるでしょう。
また、薬剤師の資格が必要がなくても薬剤師の能力やスキルを生かせる仕事もあります。
薬の情報に関するITの仕事や統計学を生かした治験の仕事など、頭のフル回転が必要な仕事を選択するととても新鮮で生き生きと仕事ができるのではないでしょうか。
薬剤師が仕事を辞めたいと思うときその4:給料に不満があるとき
薬剤師の給与は一般的な仕事に比べると高めに設定されていますが、製薬会社などの企業に比べて昇給率が低いという事実もあります。
若い頃は薬剤師の給与に満足していても、年齢を重ねて企業勤めしている友人たちの収入と比べると自分の給与があまり高くないということに気付き、がっかりする薬剤師も中にはいるのではないでしょうか。
「お金がすべてではない」と多くの人は言いますが、実際に収入の高さは仕事へのモチベーションにつながることは否定できませんよね。
仕事に対する熱意を得るために今よりも高い収入を求めることや、そのために現在の仕事を辞めようと思うことはごく自然なことと言えます。
特に、病院薬剤師は調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師に比べ収入が低いことで有名です。病院内で出世ができなさそうであれば、収入の良い職場への転職を考え、早めに転職活動したほうが良いかもしれません。
病院内で培ったスキルは、他の職場でも十分に役立ちます。身に付けたスキルを活かして満足できる収入が得られる職場をぜひ見つけてください。
5.薬剤師が仕事を辞めたいと思うときその5:自分の無力さを感じたとき
これは特に薬剤師になったばかりの人が感じることが多いことだと思います。
薬剤師の仕事はチームワークが非常に重要で、周りを見ながら動かなければいけない部分が多々ありますが、薬剤師になりたての人は当然ながらチームにおいての戦力になることが難しいです。
戦力になれないどころか先輩たちの足を引っ張ってしまうこともあり、そのたびに歯がゆい思いをしたり自信を失ったりする人もいます。
働き始めでとても辛いとは思いますが、数か月経ち少しずつ仕事に慣れてくると必ず戦力として認められるようになりますからそれまでは辛抱してがんばりましょう。
周りの人も最初から新人の能力には期待していませんので、まずは戦力になるよりも目の前にある仕事を一生懸命やることに集中してください。焦らなくても大丈夫ですよ。
ただし、新人ではない薬剤師が仕事の戦力になれない場合は、転職を考える必要があるかもしれません。
薬剤師の中にも向き不向きがありますから、どうしても業務内容が自分に合わない場合もあります。
周りの人が普通にできることが自分にできないということで落ち込む人も中にはいると思いますが、基本的に人はそれぞれ違いますから必要以上に悩む必要はありません。
大切なのは、自分にできることや得意なこと、貢献できることは何なのかを考えてそれが活かせる職場を見つけられるよう努力することです。
自分の力を活かせる仕事に就けば、驚くほど心地よく働けますし、周りの人からも重宝されます。自分ができないことに関して悩むのではなく、できることを積極的に探してくださいね。
まとめ
今回は、薬剤師が仕事を辞めたいと思う理由とその対策法について見てきました。
辞めたい理由によっては、仕事を続けた方が成長できる場合もありますし、転職を考えた方がいい場合もあるということが分かったのではないでしょうか。
もしも転職を考える必要がある時には、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントには求人数が多数あるだけでなく、担当コンサルタントがこちらの希望を細かく聞き取り、条件に合った求人を探し出してくれるので、たとえば自分のできることを活かしたいという人や人間関係に悩んでいる人、収入を増やしたい人は、転職エージェントを利用したほうが希望の転職先が見つかる可能性が高いです。
多くの薬剤師が自分の能力を生かし、心地の良い職場環境で楽しく働けることを願っています。
2020/04/26