企業で働く薬剤師の品質管理の仕事内容・年収について薬剤師が解説。
製薬会社や化粧品会社に品質管理職という仕事があることをご存知でしょうか。
企業で働く薬剤師の職業と言えば、研究職や新薬の開発の仕事を思い浮かべる人も多いと思いますが、薬剤師の資格を持ち、品質管理の仕事をしている人もいます。
品質管理と言うとその名前から品質を管理する仕事ということは分かりますよね。
しかし、何の品質をどのように管理しているのかは知らない人が割と多いというのが実際のところだと思います。
今回は、製薬企業で働く品質管理の仕事内容や転職の仕方について見ていきます。
品質管理の仕事内容とは
品質管理の仕事は、販売前の医薬品や化粧品などの品質が一定の基準に達しているかどうかをチェックするのが主な内容です。
たとえば、新薬を開発し、治験が無事に終わって薬が安全で効果的だと証明されたとしても、薬の品質自体が悪ければ、患者さんや医療にかかわる人たちに多大な迷惑をかけてしまいますよね。
品質管理は、そういったことのないように化学試験をしたり、もし異常があれば要因分析などをして品質の良い製品を完成させる役割を果たしています。
「品質管理の仕事内容が試験をするだけならば、薬学の知識は必要ないし、薬剤師が活躍できる職業ではないのでは?」と思う人も中にはいますよね。
実は、品質を管理するためには製品を分析して問題点を探し出したり、改善点を探ったりするため、薬学の知識や見方が大変役に立ちます。
実際に、品質管理職に就いて力を発揮している薬剤師も多いです。
こうして見ると、薬が開発が始まってから販売されるまで、さまざまな仕事に就いている薬剤師たちがその能力を生かしながら一つの製品を生み出していることがよく分かるのではないでしょうか。
品質管理の仕事は、その中ではどちらかというと目立たない職業ではありますが、消費者が安心をして使用できる製品を作るためには欠かせない職業なのです。
品質管理の年収はいくらくらい?
品質管理の気になる平均年収ですが、データによると400万円~500万円だそうです。
調剤薬局の薬剤師の平均収入が500万円~550万円なので少し低めに感じるのではないでしょうか。
「薬学の知識も必要で、安全な製品を販売するためには欠かせない職業なのにこの収入なの?」とがっかりした人も中にはいると思います。
ただ、この数字はあくまでも平均であり、働く企業によっても違うことは頭に入れておいてください。
大企業の品質管理は給与も高めでしょうし、福利厚生もしっかりしていることも少なくありません。
十分な収入が欲しいという場合には、経験年数を重ねることなどで収入がアップする企業を選びましょう。
品質管理の仕事に就くには
さて、品質管理の仕事がしてみたいと思った薬剤師もいるかもしれませんが、どのように求人を探したらいいのかが分からないというのが正直なところではないでしょうか。
求人広告などで品質管理の仕事の募集情報なんて多分見たことありませんよね。
このようなレアな求人を探す場合には、転職エージェントの力を借りるのがいいと思います。
転職エージェントは、調剤薬局など医療機関への転職に使うものと思っている人もいますが、中には企業の求人も少なからずあります。
品質管理の求人もタイミングによって出ることがありますので、エージェントに登録してその情報を逃さないようにしましょう。
そのときに収入についても収入アップが期待できるのかどうか担当コンサルタントに尋ねてみてください。
また、医療機関からの転職を望んでいる場合には、未経験でも応募できるのかどうかのチェックも重要です。
企業の面接は、医療機関とは違った雰囲気で緊張することもありますが、転職エージェントに面接対策や履歴書の添削をしてもらうことで、転職が成功する可能性も高まりますよ。
品質保証って品質管理と同じ仕事ですか?
企業には、品質保証という仕事もあります。
品質管理は、製品の試験を行い、基準に達しているのかをチェックする仕事でしたよね。
これに対して品質保証は、作られた製品の品質を向上させる仕事です。
一見同じ仕事のように見えますが、仕事内容に違いがあるので転職するときに間違えないように注意してください。
まとめ
今回は、企業で働く品質管理の仕事について見てきました。
品質管理の仕事内容や収入、転職の仕方などが分かったのではないでしょうか。
企業において自分が学んできた薬学の知識を生かし、消費者や患者さんのお役に立てる仕事は薬剤師としても十分満足できるものだと思います。
特に、品質管理の仕事内容は、試験と分析の繰り返しですので、学生時代に実験や考察が好きだった人にはとても向いている職業と言えますし、仕事をすることが楽しく感じるでしょう。
品質管理に自分の力を生かしたいという薬剤師は、転職エージェントに登録をして求人情報を検索することから始めてみてください。