企業の薬剤師の仕事内容と職種は?12種類を紹介。

 

 

薬剤師と言えば、病院、保険薬局・ドラッグストアで働いているイメージですが、最近は企業で働きたい薬剤師もかなり増えています。

 

薬科大学が6年制になったことや、男性薬剤師が割合が高くなっていることで、将来性を考える薬剤師が増えたからか、その傾向は以前よりも強くなりました。

 

ただ、単に企業で働きたいといっても、企業にはたくさんの職種があるため、実際にどんな仕事をしたいのかと考えると迷う人も多いのではないでしょうか。

 

また、どのような職種があるのかまだ分からないという人も中にはいるかもしれません。

 

今回は、企業内で働く薬剤師の仕事を取り上げて、どのような職種があるのか、またそれらの仕事内容の簡単な説明をしていきたいと思います。

 

 

企業で働く薬剤師の職種紹介

 

病院や調剤薬局などで薬剤師として働くときには、薬剤師国家免許が必要ですが、企業で働く場合は薬剤師免許が必ずしも必要なわけではありません。

 

ほとんどが免許がなくても働くことができる職種のため、薬剤師でない職員が同僚で同じ仕事をしていることもとても多いです。

 

ただし、企業側は薬剤師の知識を生かして働いてほしいということで、薬科大を卒業した人を優先的に雇用することもあります。

 

それでは、どのような職種があるのか挙げてみましょう。

 

  • CRC(治験コーディネーター)
  • CRA(臨床開発モニター)
  • QC(品質管理)
  • DM(データマネージメント)
  • MW(メディカルライティング)
  • PV(ファーマコヴィジランス)
  • PL(プロジェクトリーダー)
  • MR
  • MS
  • DI
  • 企業管理薬剤師
  • 企業内診療所の薬剤師

 

ざっと12個の職種を挙げてみました。

 

意外と多いなと思った人も多いのではないでしょうか。

 

この中で、CRCからPLまでは臨床試験いわゆる治験関係の職種です。

 

やはり薬剤師の知識やスキルを活かし、新薬開発に携わることが多い人ということなのでしょう。

 

このリストだけでは、アルファベットが多くてどんな仕事内容なのかが分からない人もいると思いますので、この後の項目でそれぞれの内容を簡単に説明したいと思います。

 

CRC(治験コーディネーター)

 

CRCは治験を進めるために、病院やクリニックなどの医療機関において、患者さん、治験担当医師、CRA(臨床開発モニター)の間に立って治験がスムーズに行われるようにサポートする仕事です。

 

「CRCって病院に勤務しているものだと思っていた」という人もいますよね。

 

たしかに病院などの薬剤部に勤務している薬剤師が、CRCも兼務している場合もありますが、SMO(Site Management Organization)の会社に所属して、担当の病院やクリニックに訪問する形の方も最近多くなってきました。

 

仕事としては、治験の条件に合う患者さんをピックアップしたり、患者さんに治験について説明し同意をとったり、患者さんの治験スケジュールや治験薬の管理をしたり、症例報告書と呼ばれる書類を作成したり、CRAの対応や治験担当医師のサポートをしたりという内容です。

 

ちなみにCRCは、患者さんに薬を説明するという点など、薬に関わる業務が多いため、薬剤師を希望する企業が多いですが、薬剤師ではなくてもなれます。

 

中には、臨床検査技師や看護師もCRCとして働いている場合もめずらしくありません。

 

CRA(臨床開発モニター)

 

CRCのところで少し触れましたが、CRAも治験を円滑に進めるために欠かせない職業です。

 

CRCは医療機関側のサポートするとお伝えしましたが、このCRAは企業側、つまり製薬会社側のサポートをするのが主な仕事です。

 

仕事としては、治験実施機関との契約に始まり、医療機関のスタッフへのプレゼンテーション、CRCが作成した書類やカルテのチェック、治験担当医師とのやりとり、治験が間違えなく進むためのフォローなど、多岐にわたります。

 

職場は、製薬会社やCRO(Contact Research Organization)という製薬会社から委託された臨床試験をサポートする会社などです。

 

ただし、そこに勤務しているからと言ってずっと社内での勤務をするのかというとそうではありません。

 

治験を実施している医療機関に何度も出向いて、CRCや治験担当医師とやりとりをしますから、全国を飛び回っている人も珍しくないのです。

 

余談ですが、中にはCRAの仕事のおかげで飛行機のマイレージが貯まり、海外旅行にタダで行けたなんていう話も聞いたことがあるくらいです。

 

また、最近は治験がグローバル化しているため、英語を使った仕事も多くなってきていることも覚えておいてほしいところです。

 

英語でのメールのやり取りもあるため、CRAになるために、語学短期留学する人もいます。

 

QC(品質管理)

 

QCの仕事は、プロトコールなどの書類や、CRCや治験医師が記載した症例報告書のデータが適正なのかどうかを解析前にチェックする仕事です。

 

これを聞くと人によってはとっても地味な仕事たと思ったかもしれませんが、このQCのおかげで治験のデータを信頼して分析することができるわけですから、治験を正確に行えるように導く重要な仕事の一つであることに違いはありません。

 

もし、間違っているデータをそのまま見過ごして治験を進めてしまったらと考えてみてください。

 

そのまま新薬が発売されてしまったとしたら、服用する患者さんを危険にさらしてしまう恐れがあります。

 

また、治験は製薬会社が多額のお金を使って行うものですし、新薬が発売できるかどうかがかかっています。

 

もし、データが間違っていることでその治験が失敗に終わってしまったら、製薬会社にとって多額の損失になりますし、新薬を待ち望んでいる患者さんを失望させてしまうことも想像できますよね。

 

QCの仕事は間違えが許されないため、注意力と正確さが不可欠な仕事であるということが分かると思います。

 

DM(データマネージメント)

 

DMの仕事は、治験で得られたデータを統計学的に解析する仕事です。

 

企業の中の職種の中で数学が直接的に使われますので、数学が苦手という方にとっては向かない仕事かもしれません。

 

統計学的に、新薬が有効なのか、安全性は大丈夫なのかを分析します。

 

私が治験コーディネーターをしていた時のことですが、私の担当の患者さんのデータだけを見て、「この新薬は有効性がある!」と予想した薬がありました。

 

しかし、DMの結果では有効性なしというものだったのです。

 

DMが統計学的に分析をしなければ新薬の有効性・安全性は分からないんだなと実感した出来事でした。

 

MW(メディカルライティング)

 

MWは治験のデータを論文などにまとめて、薬事申請するための書類を作ったり、プロトコールなどの治験に関する書類を作ったりする仕事です。

 

メディカルライターとも呼ばれるため、医療系の記事を書いているメディカルライターと混同してしまうことがありますが、こちらは治験薬の承認に関わる仕事と覚えておいてください。

 

治験に関する書類ということで、経験とスキルが必要です。

 

また、英語の論文を翻訳したりする仕事もあるため、英語のスキルが高い人が採用されている傾向があるように思います。

 

私が知っているMWですが、TOEICが900点以上の高得点を持っている人でした。

 

薬事申請の書類作成のスキルに加えて英語のスキルも必要なかなり高度な仕事と言っていいと思います。

 

PV(ファーマコヴィジランス)

 

ファーマコヴィジランスと聞いても何のことだか分からない人も多いと思います。

 

これは安全性情報管理の仕事です。

 

治験をしている最中、副作用などの有害事象が起きた場合に、そのデータを分析し、治験を中止すべきかどうか、または追跡調査を行うかどうかを判断する仕事です。

 

また、その結果を国に報告することもしています。

 

薬害かどうかを判断する彼らがいてくれるからこそ、患者さんが安心して治験に参加できるといっても良いくらい重要な仕事と言えます。

 

 

PL(プロジェクトリーダー)

 

PLはCRA、QC、DM、MW、PVのリーダーとしての役割です。

 

行われている治験だけでなく、それにかかわる人々を見ながら、全体をまとめたり、問題を未然に防いだりすべく動いています。

 

リーダーと呼ばれるだけあり、転職してすぐになれる職業ではありません。CRAなど治験に関する他の様々な経験を積んた人がPLとして活躍できます。

 

MR

 

Medical Representativeと呼ばれています。

 

製薬会社に所属し、自社製品を医療機関に使用してもらうために、医薬品情報などをアピールするいわゆる営業職です。

 

病院や薬局で働いたことのある薬剤師は、MRと関わった経験がある方がほとんどなのではないでしょうか。

 

医師や薬剤師のスケジュールに合わせてお話しする機会を作るため、拘束時間がとても長いことでも知られています。

 

MS

Marketing Specialistのことで、医薬品卸販売担当者で、勤務する場所は医薬品の卸です。

 

病院で医薬品を採用するときに、複数の卸と値段交渉をすることがありますが、卸側の交渉にあたるのがMSです。

 

MSという名前は聞いたことがなかったけど、そのような仕事をしている人を医療機関で見たことがある人もきっと多いですよね。

 

また、MSはさまざまな製薬会社の製品を比べて情報を医療従事者に説明するという仕事もしています。

 

DI

 

DIとはDrug Informationのこと。

 

医薬品の情報を伝える担当者のことです。

 

医療機関に勤務する薬剤師は、分からないことがあると製薬会社のDI室に電話することもしょっちゅうだと思いますが、電話の向こうでそれら質問に答えている人こそDIと呼ばれている人たちです。

 

DIからの情報により、患者さんの安全を守れた経験のある薬剤師も多いのではないでしょうか。

 

DIは、常に医薬品のデータについて勉強し、多くの問い合わせにいつでも答えられるような準備をしているため、常日頃の情報のアップデートは欠かせません。

 

企業管理薬剤師

 

管理薬剤師と言えば、調剤薬局やドラッグストア内の薬局を思い浮かべる人も多いと思いますが、医薬品を取り扱う企業にも管理薬剤師がいます。

 

薬局の管理薬剤師の仕事とは少し違った仕事をしていて、事務的な作業や医薬品の情報・品質・在庫管理が主な仕事です。

 

ちなみに、管理薬剤師という名前がつくことから分かるように、この仕事は企業で働いていても薬剤師の資格が必要です。

 

企業内診療所の薬剤師

 

企業内診療所の薬剤師も、薬剤師資格が必要な企業のお仕事です。

 

企業内薬剤師は、企業の中の診療所に勤務して、職員の健康を守ったり、風邪などで企業内診療所にかかる職員の薬を調剤して渡す仕事をしています。

 

企業内に診療所があることを知らなかったという人もいると思います。

 

ある程度大きな企業や警察などに企業内診療所がありますが、数が少ないだけに募集も少ないです。

 

まとめ

 

今回は、薬剤師が働いているいろいろな企業の職種を紹介してきましたが、興味がある仕事はあったでしょうか。

 

医療機関での仕事以外の別の仕事についてみたいとか、治験に関わってみたいなどの理由で企業に転職したいと思った人もいるかもしれません。

 

ただ、いざ転職するとなるとどうやって転職を進めたらよいか分からないというのが正直なところですよね。

 

薬局の求人は薬局の店舗や求人広告でよく見るけれど、企業の求人はあまり見ない、見たことがないという人も中にはいると思います。

 

その様な場合には転職エージェントの利用がおすすめです。

 

転職エージェントには、医療機関だけでなく企業の求人もあります。

 

転職エージェントに登録をして、自分の希望を担当者に伝えてみてください。

 

担当者は多数の求人の中から希望に合った求人を紹介してくれるはずです。

 

中には経験が必要だったり、求人数自体が少なかったりで転職が難しい場合もありますが、それについても担当者とよく相談して必要な経験をつけるための方法を考えたりタイミングを計ったりすれば、転職成功につながる可能性は大いにありますよ。

 

企業の中で、薬剤師の知識を生かしながら患者さんのためになる仕事を精一杯してほしいと思います。

 

 

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      2020/02/02

 - 製薬会社の薬剤師