薬剤師として海外で働く方法。アメリカ在住経験のある薬剤師が答えます。

 

 

「日本で身に付けた薬剤師の知識やスキルを海外で生かしてみたい。」と思ったことはないでしょうか。

 

海外で働きたい人の中には、「海外で自分の力を試してみたい。」「海外に住んでみたい。」または「日本の社会で働くのが疲れた。」などさまざまな理由があると思いますが、せっかく日本の薬剤師免許を持っているならそれを使って働いてみたいと思うのが一般的ですよね。

 

はたして日本の薬剤師免許は海外で通用するのでしょうか。

 

また、通用しない場合は、どのようにすれば薬剤師として働けるようになるのでしょうか。

 

今回は、その辺を探っていきたいと思います。

 

日本の薬剤師免許は海外で使えないことがほとんど

 

薬剤師免許は国家免許なので、海外でも使えるのではと思っている人も多いのですが、残念ながら海外で使えないことがほとんどです。

 

アメリカやドイツを例に出してみますと、いくら外国の薬剤師免許を持っていても、その国のテストに合格したり、インターンなどをしたりしなければ、薬剤師としてその国で働くことはできません。

 

また、日本でも、他の国の薬剤師免許は使えない事実があります。

 

このことから、命に関わる業務を行う薬剤師だと認めてもらうには、やはりその国の要求する薬剤師のレベルに達している証明が必要なことが分かるのではないでしょうか。

 

中には、「医薬品は世界共通だから免許も世界共通にしてもいいのではないか?」と思う人もいますよね。

 

論理的にはそうなのですが、国が変われば承認されている薬も違いますし、商品名も異なります。

 

たとえば、日本でマイスリーとして知られているゾルピデムをいう睡眠導入剤は、アメリカではアンビエンと呼ばれているように、知っている薬でも名前が分からないこともとても多いです。

 

また、言語の問題もあります。

 

薬剤師は、患者さんに薬を説明することが必要になりますが、その国の言語、特に専門用語などを知らないと患者さんへの説明することすら難しくなってしまうことも想像できるのではないでしょうか。

 

さらに、保険に関しても日本と違うシステムが外国では使われていることにも注目しなければいけません。

 

たとえばアメリカでは、日本のような社会保険と国民健康保険がなく、個人が違う保険に入っているため、その複雑な保険システムについても知る必要があるのです。

 

これらのことをまとめて考えると、その国での薬剤師の勉強を一からしなければいけなかったり、試験に合格したりすることが不可欠になる理由がよく分かりますよね。

 

薬剤師免許を海外で使える例外とは

 

日本の薬剤師免許が海外で通用しないということをお伝えしましたが、これはあくまでも一般的な話。

 

国によっては日本の薬剤師免許が通用する国もあります。

 

たとえば、タイです。

 

タイでは日本の薬剤師免許で薬局で働くことができるそうです。

 

また、発展途上国の薬剤師が足りない国などでは日本の薬剤師免許を受け入れてくれる場合がありますので、働いてみたい国が日本の薬剤師免許を使えるかどうかまず調べる必要があると思います。

 

また、海外で活躍するということでしたら国境なき医師団の一員として活躍する方法もありますよ。

 

アメリカで薬剤師として働くには

 

海外で働きたいという人の中には、「自分が行きたい国で働きたい。」という人もまた多いと思います。

 

日本人に人気のある国では、日本の薬剤師免許が通用しないのが一般的ですので、その国のルールに従って薬剤師免許を取得しなければなりません。

 

この項目ではアメリカを例に、どのようにすれば日本の薬剤師がアメリカの薬剤師になれるのかを見ていきます。

 

<外国の薬学部を卒業した人のためのテストを受ける>

 

これは、アメリカの大学に行かずに試験とインターンを受けて薬剤師を目指す方法です。

 

ただし、この方法を選択できるのは2002年までに薬学部を卒業した人、または2012年以降に薬学部を卒業した人だけですのでまずそこは注意してください。

 

というのも、2003年以降に薬学部を卒業した人は最低5年間の薬学部カリキュラムの終了が必要というのがこの方法の条件にあるからです。

 

2003年から2011年までは日本の薬学部は4年制課程でしたので、残念ながら2003年から2011年までに卒業した人はこの方法は選択できないことになります。

 

さて、この方法を選択できる人はどのようにアメリカの薬剤師免許をとればよいのでしょうか。

 

まず、FPGEE(Foreign Pharmacy Graduate Equivalency)という外国の薬科大を卒業したレベルの知識があることを証明する試験と、TOEFL、TSEという英語の試験に合格をすることが第一歩です。

 

英語のスピーキングテストもあるため、かなり流ちょうに話せないと合格できないと思ってください。

 

薬学の知識、英語を勉強することが必要になりますから、日本人にはかなりハードルが高いと言えますよね。

 

さて、何とか頑張ってこの3つの試験に無事に合格したら晴れてアメリカの薬剤師になれるのかと言うとそうではないので注意が必要です。

 

この3つの試験に合格したことで得られるのは、薬剤師資格試験の受験資格とインターンの資格のみで、ここから薬剤師資格試験の合格とインターンシップの経験を経ないとアメリカの薬剤師になれないことも押さえておきましょう。

 

薬剤師資格試験の難易度も気になるところですが、ここで日本人が一番心配しなければならないのはインターンシップの方です。

 

実は、アメリカという国で働くためにはワークパミッションという労働許可証が必要です。

 

インターンシップは働くことと同じですから、このワークパミッションを得られないとインターン経験ができないということになってしまいます。

 

では、ワークパミッションを得るにはどうしたらよいのでしょうか。

 

多く人が目指すのは、グリーンカードを取得することです。

 

アメリカのグリーンカードは、アメリカ人と結婚することや、グリーンカードくじの当選、アメリカの会社などにスポンサーになってもらうことで得られます。

 

アメリカの薬剤師を目指して勉強している最中に、アメリカ人との結婚やアメリカの企業で働きながらスポンサーを探すことはあまり現実的ではありませんよね。

 

このことから、この方法でアメリカの薬剤師になることをあきらめてしてしまう人も少なくありません。

 

ただ、グリーンカードのくじですが、他の国に比べて日本人は当たりやすい傾向があると聞いたことがあります。

 

私もグリーンカードに当選した人を2人知っていますので、運試しにはなってしまいますが、トライしてみるといいかもしれません。

 

<薬剤師になるための専門大学院に行く>

 

試験とインターンでアメリカの薬剤師になる方法は、手軽に見えるものの状況的に難しいことがあることが分かったと思います。

 

それでは他にどのような方法があるのでしょうか。

 

インターンで働くのが難しいせいで前項で書いた方法をあきらめなくてはいけない人が多いということですから、どうにかインターンができる状態にすることを考えてみましょう。

 

アメリカでは、大学を卒業するとF1ビザというインターンが可能なビザをもらえるというシステムがあります。

 

これを利用してインターンを経験し、アメリカの薬剤師になるという方法です。

 

アメリカの薬学専門の大学院に入学をし、そこで卒業することを目指します。

 

ただ、アメリカの大学や大学院の授業料は日本よりもかなり高く、この方法がかなり費用がかかるということも合わせてチェックしておいてほしいところです。

 

学費だけで年間400万円以上はかかると思いますし、住宅や生活費を考えるとかなりの出費を覚悟しなければなりません。

 

まとめ

 

今回は、日本の薬剤師免許が海外で通用するかについて見てきました。

 

海外で通用しないことが一般的な中で、通用する国もあるということ、また他の国で薬剤師になるには厳しい条件があるということなどが分かったのではないでしょうか。

 

たしかに薬剤師として外国で働くことは簡単ではありませんが、薬剤師で働くにせよ働かないにせよ、私は個人的に日本人は海外を見たほうが良いのではないかと思っています。

 

海に囲まれた島国にいると、日本での常識が世界の常識だと思ってしまいがちですし、人と違うと言うだけで叩かれる傾向のあるこの国では、人との差を認める大切さを忘れがちだからです。

 

海外には当たり前ですがさまざまな文化があり、さまざまな人がいます。

 

常識だと思っていたことが世界では認められなかったということもめずらしくありません。

 

海外で薬剤師として働くことが難しくても、違う環境に身を置いて語学や文化などを学べば、それが薬剤師としての成長にもつながるのではないでしょうか。

 

薬剤師は、一度仕事を辞めたとしても再就職が難しくない職業でもあります。

 

機会があったら海外に長期滞在して貴重な経験をしに行くのもいいと思いますよ。

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