ヘルスケアアドバイザーって何ですか?資格取得方法・やりがいなどを紹介します。
ヘルスケアアドバイザーという資格を聞いたことはあるでしょうか。
名前から健康に関することをアドバイスする資格だと予想できるくらいで、そのような資格の存在は知らないという人がほとんどなのではないでしょうか。
ヘルスケアアドバイザーは適切な医薬品やサプリメントなどを選択する知識に加え、接客スキルも兼ね備えていることを証明する資格です。
今回は、ヘルスケアアドバイザーについて、資格の取得方法ややりがいなどについてお話していきます。
Contents
ヘルスケアアドバイザーとは
ヘルスケアアドバイザーは日本チェーンドラッグストア協会が実施する資格です。
健康維持や増進、病気の予防や改善のためにセルフケアやアドバイスができるようになることを目的としていて、資格取得にはヘルスケアに関する幅広い知識を学ぶことが必要とされています。
『セルフケアも目的としている』とあるように、この資格は薬剤師などの専門家だけが認定されるものではありません。
通信教育を受ければヘルスケアアドバイザーになれるチャンスは誰にでもあります。
資格の取得方法
<通信講座に申し込む>
まずは。ヘルス・アンド・ビューティケア人材育成センターhttps://www.hbc-ctr.gr.jp/hbcjsp/system/index.htmlに問い合わせて、通信講座のテキストとDVDを取り寄せるところから始めてください。
受講申し込みを停止している期間があるので、受講期間が始まる前に受講申し込みをしているタイミングを見る必要があるかもしれません。
受講料は68,040円(税込み)(2019年9月30日時点)です。
<受講する>
テキストとDVDが届いたら、12か月間自宅学習を始めます。
内容は、医薬品や体の構造、栄養、病態、健康管理、病気の予防、関連法規。
症状や代替医療、こころのケア、妊娠・出産、介護、応急処置などです。
テキストやDVDでこれらのことを学び、1年で12回の添削問題を解くようになっています。
学ぶことがとても多く感じるかもしれませんが、薬剤師であればもうすでに知っている内容も多いと思いますので、今までの知識の復習を兼ねた勉強が主になるでしょう。
<認定試験を受ける>
12か月の通信教育が修了すると認定試験を受けることができます。
認定試験受験料は5000円(税抜)です。
<登録する>
試験に合格後、認定登録料4000円(税抜)を払い、登録するとヘルスケアアドバイザーの資格取得になります。
資格の有効期限は3年ですので、更新を忘れないようにしましょう。
<更新について>
資格の更新をするには、有効期間内に日本チェーンドラッグストア協会が認定する研修会に参加し、季刊誌に掲載される課題へのレポートを提出することが必要です。
そこで、更新に必要な単位数を取得して更新手続きを行います。
更新登録料は2000円(税抜き)です。
ヘルスケアアドバイザーの資格が生かせる職場とやりがい
取得までに1年以上かかるヘルスケアアドバイザーですが、資格を取得するからにはそれを生かせる場所とやりがいなどを知りたいところだと思います。
<ドラッグストアや薬局>
ヘルスアドバイザーの資格は、現在販売されている多くの医薬品やサプリメントの中からお客さまに合ったものを選び、説明するときに役立つ資格です。
つまり、この資格を生かせる職場として真っ先に考えられるのは、ドラッグストアや薬局です。
薬剤師の中には医薬品には詳しいけれどサプリメントについてはあまりよく知らないという人も多いですよね。
最近はサプリメントに興味のある消費者が増えていますので、ヘルスケアアドバイザーの資格を取るための講座で栄養や代替医療などを学び、薬剤師の知識に加えてサプリメントの質問にも答えられる力をつけたら自分の仕事への自信にもつながるのではないでしょうか。
また、適切なものを選んだことでお客様が喜べば、それが仕事のやりがいになってもいくでしょう。
<病院や診療所>
ドラッグストアや薬局で役立つ資格ということは分かりましたが、病院や診療所ではどうでしょうか。
私が病院で働いていた時に、患者さんからサプリメントの広告を見せられ、それについてのアドバイスを求められたことや、症状に合うおすすめのサプリメントがあるかという質問をされたことが何度かあります。
サプリメントについてはあまり勉強する機会がなかったので、勝手に答えてしまうのは良くないと思い、質問を受けた時はすぐに答えず、薬剤部に持ち帰りってDIの担当者と一緒に確実な情報を調べてからお答えするようにしていました。
ですから、このヘルスケアアドバイザーという資格を知ってすぐに、もしもこの資格を取るために勉強をしていれば患者さんを待たせることなく質問にもすぐに答えられていたのにと思いました。
病院内でサプリメントは売っていないので、ヘルスケアアドバイザーの資格は役に立たないものと思われがちですが、身に付けた知識を使って、患者さんのお役に立てる機会は十分あると思います。
他の薬剤師にはできないアドバイスができると患者さんから信頼されやすいですし、自分の存在価値も実感できるのではないでしょうか。
ヘルスケアアドバイザーの収入
ヘルスケアアドバイザーの資格を取得するには、講習の受講料や登録料、申請料など何かとお金がかかるなと感じた人もいると思います。
この資格を取得して、収入アップにつながれば嬉しいですよね。
働く職場にもよるとは思いますが、残念ながらヘルスケアアドバイザーの資格を持っていることでの収入アップはないと思っていた方が良さそうです。
薬剤師が収入アップを期待したい場合には、専門薬剤師や認定薬剤師の資格を取得したほうが確実かもしれませんよ。
ヘルスケアアドバイザーの資格は、昇給目的と言うよりも自分の知識やスキルの向上を目的として取得するものと思っていてください。
ただ、資格を取得することによってアドバイスできる範囲が広がり、お客様から信頼されることも考えられますから、その評価が収入に現れることは十分考えられます。
まとめ
今回は、ヘルスケアアドバイザーの資格取得の方法や、資格を生かせる職場、やりがいなどについて見てきました。
ヘルスケアアドバイザーの資格を薬剤師の資格と一緒に使うことで、お客様や患者さんにアドバイスできる範囲が広がることなどが分かったのではないでしょうか。
最近、セルフメディケーションを政府が推進していることにより、自分の健康を自分で守っていく時代になりつつあります。
今後、程度の軽い頭痛や風邪などは病院に行かず薬局で薬を購入して治したり、病気にならないようにサプリメントで健康管理したりすることが今まで以上に一般化されていくでしょう。
ヘルスケアアドバイザーはそんな時代のニーズに合った資格とも言えると思います。
薬剤師のスキルを向上させたいと考えている人は、ヘルスケアアドバイザーの資格取得を考えてみてはいかがでしょうか。