リフィル処方箋とは?日本での導入やメリットとデメリットを薬剤師が解説。

 

 

リフィル処方箋が日本で導入されるかもしれないという情報を聞いたことがあるでしょうか。

 

この情報を聞いた薬剤師の中には、「リフィル処方箋っていったい何?」と思った人がとても多かったのではないかと思います。

 

そして、リフィル処方箋が導入されることによって、調剤薬局などの薬剤師の仕事がどのように影響されるのか心配する声もまたあるでしょう。

 

今回は、リフィル処方箋についてのメリットやデメリット、日本での導入が遅れている訳などを探っていきます。

 

また、私自身がアメリカでリフィル処方箋をもらった経験がありますので、実際にどのようなものかもお伝えしようと思います。

 

リフィル処方箋とは

 

リフィル(Refill)とは、英語で『詰め替え』を意味する単語です。

 

つまり、リフィル処方箋とは、一回の処方箋で複数回の処方が受け取れる処方箋のことを言います。

 

たとえば、処方箋に『3回分のリフィル』と書いてあれば、その処方箋に書いてある内容の処方薬を3回購入できるという意味です。

 

今まで日本で聞いたことのないこのシステムですが、導入することによって一体どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

 

次の項目を見ていきましょう。

 

リフィル処方箋のメリット

 

リフィル処方箋のメリットとして最初に挙げられるのは、診察代が節約できることです。

 

処方箋をもらいに病院にかかるだけで、そのたびに診察代がかかりますよね。

 

薬が欲しいだけなのに、診察代を払わなければいけないことに不満を感じたことのある人も意外と多いのではないでしょうか。

 

リフィル処方箋になり、そのリフィル数が増えるほど、病院に行く必要がなくなりますから、その分診察代が減るということです。

 

また、診察代が多くかからないということは、医療費の削減にもつながりますから政府の政策においても理にかなっていると言えますよね。

 

メリットは金額面だけではありません。

 

病院に行く回数が減れば、病院に足を運ぶ回数が減ると同時に、長い待ち時間を待合室で過ごす回数も当然減ります。

 

日本の医師の診察は、「3時間待たされて3分の診察」と言われることがあるほど、待ち時間が長すぎることで有名です。

 

待ちくたびれて疲れてしまい、余計に具合が悪くなったという患者さんを私は大勢見てきました。

 

リフィル処方箋になれば病院に行く回数が最小限になり、長い待ち時間を過ごす回数も減りますし、病院に行く人自体が減ることで、待ち時間の減少にもつながりますよね。

 

また、病院にいる時間が短いと、ウィルスなどに感染する確率も当然のことながら下がることが分かります。

 

このように、リフィル処方箋が導入されることにより、多くの人が多くのメリットを感じるようになることが予測されているのです。

 

リフィル処方箋のデメリット

 

それでは逆に、リフィル処方箋を導入することでのデメリットがあるかどうかを見ていきます。

 

リフィル処方箋によって病院に行く回数が減るということは、病気の経過を定期的に見てもらう機会も減るということです。

 

そのことが原因で病気が悪化してしまう可能性があるということが、デメリットとして考えられると思います。

 

医師もそこを強調してはいるのですが、リフィル処方箋を症状の安定している患者さんに限って使用すれば、このことに関しては問題がないと言えるのではないでしょうか。

 

今も、何年も同じ薬を飲んでいるから薬だけが欲しいと診療所に来る患者さんが後を絶ちません。

 

症状の安定している患者さんには長めのリフィルを、そうでない患者さんには短めのリフィルかリフィルなしの処方箋を医師の方で調整すればいいだけの話ですよね。

 

もう一つ、ご年配の患者さんが感じてしまうかもしれないでデメリットというのもあります。

 

日本では、ご年配の患者さんの医療費はとても安く設定されているため、近所の人とのコミュニケーションをとるために病院通いしている人たちも中にはいます。

 

リフィル処方箋が導入され、病院に行く機会が減れば、さまざまな人とコミュニケーションをとるチャンスも減ることが予想されますよね。

 

しかし、これは特定の人にとってのデメリットであり、全体的にはあまり説得力のないデメリットとも言えます。

 

そもそも病院は、具合の悪い人がかかるところで、コミュニケーションをとるための場ではありません。

 

病院にかかる必要がない人が病院にかかれば、本当に具合の悪い人の待ち時間が増え、処置が遅れてしまう可能性がでてきてしまうということは忘れてはいけないポイントだと思います。

 

リフィル処方箋が日本での導入されない理由って?

 

このようなメリットの目立つリフィル処方箋は、アメリカやイギリス、フランスやオーストラリアではすでに導入済みです。

 

それにもかかわらず、日本でいまだに導入されていないのは一体なぜなのでしょうか。

 

調査によると導入すべきと考えている薬剤師は52.5%もいるのに対して、医師は25.0%しかいないそうです。

 

すでにお話した通り、医師の定期的な診察がないことで、患者さんの症状を把握できない不安があると大勢の医師が話しています。

 

しかし、これは患者さんの症状によりリフィルの有無や回数を調節すればいい話でしたよね。

 

ではなぜ、これだけ多くの医師がこのリフィル処方箋の導入を反対しているのでしょうか。

 

それは、診察代や検査代を医師・病院側が稼げなくなることが根底にあると思います。

 

患者さんの診察代が安くなるということは、それだけ病院の収入も減るということです。

 

また検査代などは点数も高く、病院の大きな収入源になっているため、これが減少することでの病院の影響は少なくないのでしょう。

 

とはいえ、医療に削減は政府が掲げている目標ですし、患者さんにメリットがあるならば、リフィル処方箋を導入すべきなのではないでしょうか。

 

病院が利益だけを追求している限り、本当の意味での『患者さんのための医療』にはたどり着けない気がします。

 

アメリカのリフィル処方箋ってどんな感じ?

 

私は、約4か月前にアメリカの診療所で処方箋をもらう機会がありましたので、そのことをこの項目でお話しようと思います。

 

もらった処方箋には、「REFILL:6 by 10/17/20 DAYS SUPPLY 30」と書いてありました。

 

リフィルという文字がありますよね。

 

そうです。これがアメリカのリフィル処方箋です。

 

書かれている意味は2020年10月の17日までに30錠ずつ6回のリフィルがあるということ。

 

つまり、1か月30錠で、約6か月分の薬が医師の診察なく買えるという意味です。

 

はじめてリフィル処方箋というのを見てちょっと感動しました。

 

聞いたことのある人も多いと思いますが、アメリカの診察代はとても高いです。

 

健康保険に入っていたとしても、ディダクタブルという保険に規定されている金額まで医療費を使うまでは、10割負担が一般的です。

 

私の保険ではディダクタブルが約18万円と設定されていますので、医療費を合計18万円つかうまでは10割負担をしなければいけません。

 

4か月前に受けた診察代は、10割負担でたしか2万円くらいでした。

 

もしも半年間、毎月診察を受けたら、単純計算で12万円もの出費になるのが分かりますよね。

 

リフィル処方箋のおかげで診察が1回で済んだことは本当にありがたかったです。

 

リフィル処方箋が薬局に与える影響を考える

 

もしリフィル処方箋が導入されたら、調剤薬局にどのような影響を与えるのかをここでは考えていきましょう。

 

たとえば、1か月ごとに6回、調剤薬局に薬を取りに行くことになっている私の薬ですが、仮に日本でこのリフィル処方箋を扱うと、どのような影響があるのでしょうか。

 

一回で6か月分の処方を調剤するのと、1か月ごとに6回調剤しなければならないのでは、薬剤師の手間がかなり違いますよね。

 

錠剤ならまだしも、散剤や粉砕調剤なら、なるべく多くの日数を一度に調剤したいと思う薬剤師が多いのではないでしょうか。

 

このことから、今後リフィル処方箋を導入することになれば、薬剤師の手間が増えるということを心配する薬剤師もかなり出てくると思われます。

 

では、アメリカの薬剤師はこの問題をどのように解決しているのでしょうか。

 

アメリカでの錠剤の調剤は、PTPシートを手で集めるのではなく、機械の自動分包でボトルに入れていく方法がとられています。

 

そのため、錠剤数を数える必要もないため、1回で6か月分調剤しようが、1か月分を6回調剤しようが手間にするとそれほど変わりません。

 

それでは、散剤や粉砕はどうでしょうか。

 

私は、アメリカの調剤薬局で散剤分包機を見たことがありません。

 

日本の薬局でよく聞こえるカンカンカンという散剤分包機の特有の音が、アメリカの薬局から聞こえないので、アメリカ人に聞いてみると、なんと散剤の分包機があることに対して逆にびっくりされてしまいました。

 

アメリカの薬局は、既製品でない限り、錠剤での調剤が基本で、粉砕は患者さん自身が必要に応じてするようになっています。

 

ですから、錠剤粉砕機や半錠にするための錠剤カッターがどの家にも普通に置いてあるのが一般的です。

 

このことから、アメリカの薬局での調剤における手間は、リフィル処方箋の有無には関係ないことが分かると思います。

 

また、1か月ごとのリフィルで、病院に行かないとなると、「調剤薬局に行くのを忘れてしまうのでは?」と心配する人もいますよね。

 

アメリカのシステムでは、最初の処方薬を取りに行くときに、自動分包を薬局に依頼することができます。

 

すると、1か月ごとに調剤薬局から電話が来て、調剤済みであることを知らせてもらえるので、忘れてしまう心配がありません。

 

そして自動的に調剤されることによって、患者さんが薬を待たなくていいという利点も注目してほしいポイントです。

 

ただ、これを聞くと、「そんなに大勢の患者さんの家に電話なんてかけている時間がない!」と思う薬剤師も多いのではないでしょうか。

 

実はそこも、アメリカではシステムが整っていて、機械による自動電話を利用しているため、薬剤師の手を煩わせることがないのです。

 

このように、リフィル処方箋が調剤薬局に与える影響は少なくないものの、システムなどを整えることによって対応可能なことが分かったと思います。

 

まとめ

 

今回は、リフィル処方箋についていろいろと見てきました。

 

リフィル処方箋はメリットが多いこと、デメリットのほとんどは解決可能だということ、またリフィル処方箋を導入することによる薬局への影響などが分かったのではないでしょうか。

 

先ほどお話ししたように、リフィル処方箋を導入すれば、薬局自体のシステムを変えていく必要があるなど、リフィル処方箋に慣れるまで、調剤薬局側もかなり大変な思いをするかもしれません。

 

ただ、実際にリフィル処方箋を利用した薬剤師の立場から、リフィル処方箋は、薬局にとっても患者さんにとっても導入する価値があるものだと言えます。

 

前例にないことを行うのは容易なことではありませんが、患者さんにとってのメリットを第一に考えて、リフィル処方箋の導入にぜひ踏み切ってほしいと思います。

 

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 - 調剤薬局の薬剤師