新人薬剤師あるあるネタ7選!現役薬剤師が語る、必要な心構えやスキルアップのためにすべきこととは?
突然ですが新人薬剤師として働き始めた皆さん、仕事、辛くないですか?
社会に出て働くと、学生時代には考えもしなかった壁にぶつかることも多いため、いっそのこと仕事とを辞めてしまいたいと思っている人も中にはいるのではないでしょうか。
薬剤師になるために、あれだけたくさん勉強をして、長い実習にも耐えてきたのに、いざ働きだすと思ったようには行かず、お金をもらうことは本当に大変なことだと思い知らされますよね。
今回は、新人薬剤師あるあると必要な心構え、そして薬剤師としてスキルアップをするためにできることなどについてお話していきます。
Contents
新人薬剤師あるある1-調剤ミスが多く先輩の足を引っ張る
仕事を始めたばかりの薬剤師は、調剤ミスをたくさん起こします。
ミスを起こすたびに先輩薬剤師から強く注意され、自尊心を傷つけられてしまった新人薬剤師もかなり多いのではないでしょうか。
新人のころは、薬の場所もまだ把握できていませんし、職場の雰囲気にもなれていませんので、先輩薬剤師よりも神経を使うことが多く、それがミスにつながってしまうことも少なくありません。
しかし、だからといって自信を失ったり落ち込む必要は全くないですよ。
新人がミスを起こすのは当然で、周りもそれを承知しています。
薬局によっては、新人が調剤するときはダブルチェックではなく、トリプルチェックにすると決めているところもあるくらいです。
どの薬局でも最初は新人のミスを周りがカバーしようとしてくれていますから、新人である間はミスすることを過剰に怖がらなくても大丈夫です。
ただ、小さなクリニックの薬局などで、薬局の上司が薬剤師経験のある人でない場合は注意が必要かもしれません。
薬剤師でない人たちは、薬剤師免許を持っている人は新人であってもベテランと同じように働けると思ってしまいがちなため、新人のミスをカバーしようとはしてくれない可能性が高いからです。
中には、新人薬剤師に「一人薬剤師」をさせる医療機関も実際にあります。
経費削減だか何だか知りませんが、薬剤師業務は患者さんの命に関わる仕事なのに、まだ仕事に慣れていない新人に一人で任せてしまおうなんてとても怖いですよね。
もしも、このような薬剤師の新人教育に力を入れていない職場に就職してしまった場合は、大きな病院の薬剤部やシステムが整っている調剤薬局への転職を考えることをおすすめします。
新人薬剤師あるある2-怖い先輩がいる
薬剤師の中に怖い先輩がいることも新人薬剤師あるあるです。
いつも眉間にしわを寄せて注意してくる先輩が1人は必ずいるのではないでしょうか。
今日もまたその先輩に怒られるのかと思うと仕事をすることが楽しくなくなってしまいますよね。
もしもそのような気持ちになってしまったら、その先輩を見返すためにも自分が先輩の想像以上に成長できるように努力してみてください。
私も、怖い先輩がいて泣く思いをしたことがありますが、先輩に怒られないようにするために必死で仕事しました。
そして、ある日その先輩から、「最近とっても成長したね。見ていてとても頼もしいです!」と言われた時、心の底から嬉しかったのを覚えています。
ただ意地の悪いだけの先輩は、反面教師くらいにしかなりませんが、自分のために叱ってくれる先輩はとても貴重な存在です。
先輩に認めてもらえるようになるために全力で仕事に打ち込みましょう。
新人薬剤師あるある3-電話を取るのが怖い
電話を取るのが苦手な新人もかなりいると思います。
電話を取ったところで、電話の向こうの医師や看護師の言っている意味が分からないかもしれないと思うと余計に電話がとりにくくなってしまいますよね。
電話が怖くなくなるには慣れるほかありません。
「電話に出てみて分からなければ先輩薬剤師に変わってもらえばいい」と思いながら、とりあえず思い切って電話を取ることを続けてみてください。
意外とすぐに慣れるものですよ。
新人薬剤師あるある4-患者さんの応対が怖い
患者さんの応対も最初は怖く感じるかもしれません。
以前私が働いていた病院の薬剤部主任が、「患者さんのベッドサイドに最初に薬の説明に行った時は心臓が飛び出るほど緊張した。」と言っていましたが、大の大人の男性でもやはり最初は緊張するものだと聞いてなんだかとても安心した記憶があります。
患者さんの多くは、自分より年配の人で、人生経験が豊かな人です。
だからこそ、自分の無力さが見透かされる気がして怖く感じてしまうのですが、中にはとても親切な人や人間として尊敬できる人もめずらしくありません。
そのような方たちに出会えることに感謝して、自分が学ばせてもらう気持ちになって応対してみると意外と怖くないものだということが分かります。
私も最初は窓口業務が大の苦手でしたが、今ではたくさんの患者さんとお話ができる窓口にいることが一番好きになりましたよ。
新人薬剤師あるある5-立ちっぱなしで足が痛い
薬剤師業務のほとんどは立ちっぱなしの仕事です。
学生時代は机に座りっぱなしの状態で、運動不足の人が多いせいもあるのか、薬局で働き始めると足の痛みを訴える人が少なくありません。
あまりの足の痛みに食欲までなくなってしまう新人もいました。
足は、働いているうちに筋肉が付き、2,3週間ほどで痛みを感じることはなくなると思います。
ただ、最初は仕事をするのが辛いほど足が痛くなることもありますので、足のマッサージをしたり、寝るときに足のふくらはぎの下に枕を置いたりして、むくみをとる努力をしたほうがいいです。
新人薬剤師あるある6-本当に一人前になれるのか途方に暮れる
薬剤師業務に慣れるのに時間がかかり、本当に一人前になれるのか心配な新人薬剤師もいると思います。
特に、総合病院内の薬剤部に勤務する新人薬剤師は、覚える業務が多いことと、周りを見ながら動き、業務を進ませて行かなければいけないことが日常茶飯事なため、なかなか自分の成長が感じられない人もめずらしくありません。
ベテランの薬剤師と一緒に、自分も早く戦力となって働きたいと思う気持ちは分かりますが、焦るとろくなことがありませんから、新人薬剤師である間は先のことまで心配するのはやめましょう。
自分の目の前の仕事に集中して、ひとつひとつゆっくり自分のスキルにしていけば、いつの間にか他の薬剤師と同じような立派な戦力になれるはずですよ。
新人薬剤師あるある7-仕事に行きたくない
もう仕事をしたくない、いきたくないと思うのも、新人あるあるではないでしょうか。
先輩には怒られるし、責任は重いし、通勤は大変だし、もう仕事を辞めてしまいたいと思ってしまいますよね。
学生時代も勉強に追われて大変だったと思いますが、社会に出てお金を稼ぐということはまた違った大変さがあります。
それでは辞めてしまいたいと思ったとき、どうすれば踏みとどまれるのか考えてみましょう。
私の薬剤師の先輩は、海外旅行が大好きで、仕事を辞めたいと思ったときはいつも「海外に旅行するために頑張るんだ!」と自分を励ましているそうです。
また、他の同僚は、「車を買うために仕事を頑張る!」と言っていました。
何か自分のやりたいことやほしいものを目標にしておいて、それを達成するために仕事を続けようと思うのも仕事へのモチベーションを保つ良い方法だと思います。
新人薬剤師に必要な心構え
私が個人的に新人薬剤師に持っていてほしい心構えは、ミスを起こしても落ち込みすぎないようにしてほしいということです。
新人薬剤師はミスが多いことはすでにお話ししましたが、「ミスをしても新人うちは先輩が守ってくれる」と思って、薬剤師の仕事自体をあまり怖がりすぎないようにしてほしいと思います。
もちろん、患者さんにお渡しする薬の中にミスがあってはいけませんから、2、3か月後、新人と呼ばれなくなるころまでには、きちんと正しい調剤ができるようにならなければいけないのは言うまでもありません。
ただ、一人前の薬剤師になるためにも自分でミスをしてそのミスから学ぶこともとても大切です。
私がよく新人に言うのは、「ミスをしたら反省すべき。でも、落ち込みすぎてはだめ。ミスをしても恥をかいても今は許されるから、そこから沢山学んで成長してね。」ということです。
薬剤師としてスキルアップするためにできること
新人薬剤師が薬剤師としてスキルアップしていくことも大切なことです。
最近はさまざまな認定薬剤師の資格がありますので、それを取りながら勉強していくというのも良い方法だと思います。
また、テキストやe-ラーニングなどで自分の勉強として学ぶのも一つの選択ではないでしょうか。
私が、この記事で紹介したいスキルアップの方法は、『一日一枚処方解析をする』という方法です。
一日一枚、仕事中に見つけた興味深い処方箋の処方情報だけをコピーして(お名前や年齢など個人が特定できる情報はコピーしないほうがいいです。)それぞれの薬が何のために服用されているのか自分で解析してみてください。
1日たった一枚だけでも、1年間経つとかなりの枚数を処方解析したことになりますし、自分の力がついてきているのを実感できるのではないでしょうか。
「明日の医学は目の前の患者の中にある」
テキストや資格にお金をかけて学ぶのもいいですが、目の前の患者さんからもお金をかけずに十分に学べますよ。
まとめ
今回は、新人薬剤師あるあると、新人薬剤師に持ってほしい心構え、またスキルアップの方法についてお話してきました。
この記事を読んでいる新人薬剤師の中には、7つの新人薬剤師あるあるの中に自分に当てはまる項目を見つけられた人もいるのではないでしょうか。
私が一番覚えておいてもらいたいのは、大変なのはあなた一人だけではなく、ほとんどの新人薬剤師が同じような辛い経験をしているということです。
今怖いと思っている先輩薬剤師も、新人の時はきっと同じような辛い経験をしてきたにちがいありません。
そして先輩たちは、その辛い経験を乗り越えてきたからこそ、今自信を持って立派に働けるようになったのだと思いますから、今辞めてしまいたいと思うような出来事があったとしても、成長するための試練だと思ってもう少し辛抱してみてください。
あの時頑張って本当に良かった!と思える日が必ず来ますよ。
新人薬剤師の人たちがこの記事を読んで励まされ、明日の仕事への活力を少しでも感じてくれたら幸いです。