薬剤師と調剤補助員の業務の違いって何ですか?

 

 

以前調剤は、特別な場合を除いて薬剤師しかできない業務でしたが、最近、厚生労働省の発表により、事務でも調剤補助員として一部の調剤を手伝うことができるようになりました。

 

厚生労働省によると、調剤補助員ができる調剤は薬剤師の指示に基づいた患者さんに危害の及ぶことのないものとされています。

 

「患者さんに危害の及ばない程度の調剤」というのは理解できますが、具体的にどのような調剤業務なら手伝えるのかよく分からないという声も実際にありますよね。

 

また、この発表を聞いて調剤補助員として働いてみたいと思った人も中にはいると思います。

 

今回は、調剤補助員ができる業務内容と薬剤師業務との違いや、調剤補助員になるための条件、また、アメリカの調剤補助員についても紹介したいと思います。

 

調剤とは

 

医師の処方箋に基づいて、処方箋のチェックから始まり、処方箋にオーダーされている錠剤や散剤、水剤の計数・計量を調整し、その監査を経て患者さんに薬をお渡しすることをまとめて調剤といいます。

 

薬を調整することだけが調剤だと思っていた人も意外と多いのではないでしょうか。

 

その証拠に、調剤薬局で働いている薬剤師は、実際の調剤の流れを知らない患者さんから「調剤するだけでどうしてこんなに長く待たなくちゃいけないの!?」と言われることもしょっちゅうですよね。

 

今まではこの一連の流れのすべてを薬剤師がしていましたが、この一部を調剤補助員が手伝えるようになりました。

 

具体的な内容は次の項目で説明します。

 

調剤補助員ができる調剤ってどんなことですか?

 

まず、厚生労働省からの発表を見てみましょう。

 

1 調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、以下のいずれも満たす業務を薬剤師以外の者が実施することは、差し支えないこと。なお、この場合であっても、調剤した薬剤の最終的な確認は、当該薬剤師が自ら行う必要があること。

  • 当該薬剤師の目が現実に届く限度の場所で実施されること
  • 薬剤師の薬学的知見も踏まえ、処方箋に基づいて調剤した薬剤の品質等に影響がなく、結果として調剤した薬剤を服用する患者に危害の及ぶことがないこと
  • 当該業務を行う者が、判断を加える余地に乏しい機械的な作業であること

 

2 具体的には、調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、当該薬剤師の目が届く場所で薬剤師以外の者が行う処方箋に記載された医薬品(PTPシート又はこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品)の必要量を取り揃える行為 、及び当該薬剤師以外の者が薬剤師による監査の前に行う一包化した薬剤の数量の確認行為 については、上記1に該当するものであること。

3 「薬剤師以外の者による調剤行為事案の発生について」(平成27年6月25日付薬食総発0625第1号厚生労働省医薬食品局総務課長通知)に基づき、薬剤師以外の者が軟膏剤、水剤、散剤等の医薬品を直接計量、混合する行為は、たとえ薬剤師による途中の確認行為があったとしても、引き続き、薬剤師法第19条に違反すること。ただし、このことは、調剤機器を積極的に活用した業務の実施を妨げる趣旨ではない。

4 なお、以下の行為を薬局等における適切な管理体制の下に実施することは、調剤に該当しない行為として取り扱って差し支えないこと。

  • 納品された医薬品を調剤室内の棚に納める行為
  • 調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カート等へ入れる行為、電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する行為
  • 薬局において調剤に必要な医薬品の在庫がなく、卸売販売業者等から取り寄せた場合等に、先に服薬指導等を薬剤師が行った上で、患者の居宅等に調剤した薬剤を郵送等する行為

 

5 薬局開設者は、薬局において、上記の考え方を踏まえ薬剤師以外の者に業務を実施させる場合にあっては、保健衛生上支障を生ずるおそれのないよう、組織内統制を確保し法令遵守体制を整備する観点から、当該業務の実施に係る手順書の整備、当該業務を実施する薬剤師以外の者に対する薬事衛生上必要な研修の実施その他の必要な措置を講じること。

 

とあります。

 

上の発表から調剤補助員ができる業務をまとめてみると、

<調剤補助として>

  • 錠剤や外用薬などのピッキング業務(処方オーダーされているものの数をそろえる業務)
  • 一包化の錠剤数の確認などの補助

<調剤に該当しない業務として>

  • 医薬品の棚への補充
  • お薬カレンダーや院内の配薬カートへの調剤済みの薬のセット
  • 患者さんへの医薬品の配送

<以前から行ってきた業務として>

  • レセプト業務
  • 電話や処方箋の受付などの調剤事務業務

になります。

今までと比べて業務数がかなり増えたと感じる人も多いのではないでしょうか。

ちなみに、薬剤師のみしかしてはいけない業務は、混ぜてしまったら分からなくなってしまう散剤、水剤、軟膏剤などの計量・混合調剤、また一包化調剤、医薬品の監査、服薬指導などです。

最終的に責任を持たなければいけないものは薬剤師にしかできないと覚えておくといいですよ。

 

調剤補助員になるには

 

薬剤師の調剤補助をするには何か資格のようなものが必要なのかと思う人もいますが、調剤補助員になるための資格はありません。

 

ただ、やはり薬を扱うということで、医薬品の薬効がある程度わかる人や医薬品名を見慣れている人の方が採用されやすいです。

 

なぜかと言いますと、調剤薬局の医薬品の棚は、大きな調剤ミスを防ぐため、あいうえお順ではなく薬効順になっていることが多いということが一つ挙げられます。

 

薬効順になっていれば万が一、取違いのミスを起こしても違う薬効の薬を飲んでしまうよりも危険性が下がると考えられるからです。

 

あいうえお順であれば、薬の名前からどの辺に置いてあるのか探しやすいと思いますが、薬効順ですと、薬効が分からないとピッキングしようにも薬自体がどこにあるのか分からず見つけにくいことが簡単に想像できますよね。

 

また、カタカナばかりが並ぶことの多い医薬品名に最初は戸惑うこともあるので、医薬品名と薬効が分かることが業務をする上で役立つ知識になることは間違えありません。

 

ちなみに調剤補助員の募集についてですが、調剤事務が調剤補助員を兼ねる場合もありますし、調剤補助員として雇用される場合もあります。

 

調剤薬局によっても違いますので、詳細は雇用先の薬局に問い合わせてみてくださいね。

 

調剤補助員の業務を心配する薬剤師も多い事実

 

調剤補助員が一部の調剤の補助をできるようになったことで助かると感じている薬局の経営者は多いと思いますが、そのことを快く思っていない薬剤師いることもまた事実です。

 

一体なぜなのでしょうか。

 

まず、先ほどお話ししたように、調剤補助員に資格がないことが原因の一つだと思われます。

 

調剤補助員がピッキングしたものを最終的に薬剤師が監査をするということは、言ってみれば薬剤師が責任のない素人の間違えを薬剤師一人の責任で見つけなければならないということです。

 

「素人の間違えと薬剤師の間違えは、間違い方が違い、かえって見つけにくいから素人にはピッキングしてほしくない。」「もし人手が足りないのなら一人ですべての業務をしてしまったほうが安全性が高い。」と考える薬剤師も意外といます。

 

また、薬剤師がピッキングする時はその薬剤師にも責任があるため、絶対に間違えてはいけないという気持ちでピッキングしますよね。

 

それに対して、調剤補助員は「たとえ間違えても薬剤師が直してくれるだろう」と思ってピッキングをすることが多いのではないでしょうか。

 

このことから、調剤の質が全く違うものになることが想像できますよね。

 

監査の基本は「間違いないと調剤されてきたものに対してのチェック」ですから、間違えている可能性が最初からあるものは監査したくないと薬剤師が感じてしまうのも無理はないと思いませんか。

 

アメリカのファーマシーテクニシャンと日本の調剤補助員の違い

 

ここで少しアメリカの調剤補助員に似た仕事をしているファーマシーテクニシャンという仕事をご紹介しようと思います。

 

アメリカのファーマシーテクニシャンの仕事内容は、調剤業務と患者さんへの薬のお渡しです。

 

薬のお渡しまでできるなんて日本では絶対にないことですよね。

 

日本で薬を渡すときは必ず服薬指導をしますから、薬剤師がお薬を渡すのが当然になっています。

 

アメリカでは、「服薬指導が必要」または「薬剤師に質問がある」と主張する人にしか薬剤師が対応しないのが普通です。

 

多くの人は、「薬の飲み方はボトルに書いてあるから服薬指導なんていらない」と思っています。

 

そういうわけでファーマシーテクニシャンが薬を渡しているのですが、服薬指導がない分、待ち時間もとても少なくとても合理的だなと私は個人的に思いました。

 

また、日本と違い、アメリカのファーマシーテクニシャンは資格が必要です。

 

専門学校で専門学科を学んだり、実際の仕事で薬剤師にトレーニングを受けたりした人にだけ資格が与えられますので、薬剤師も信頼をして調剤を任せている印象でした。

 

同じ調剤補助という仕事でも国によってかなり違いますよね。

 

5.まとめ

 

今回は、調剤補助員と薬剤師の業務の差ということで、調剤補助員の業務を中心に見てきました。

 

調剤補助員ができる業務とできない業務、調剤補助員になるのに必要な知識、また薬剤師の調剤補助業務への印象などが分かったのではないでしょうか。

 

調剤補助業務に疑問を持っている薬剤師もいるとお話ししましたが、薬剤師不足の薬局などでは、調剤補助員が薬剤師が力を合わせて働くことにより、長くかかっていた調剤の時間や患者さんの待ち時間を減らすことができるに違いありません。

 

仕事が早く、ミスが少ない優秀な調剤補助員は薬剤師からの信頼も得られることでしょう。

 

補助だからと言って安心せず、医薬品名などを勉強し続けてスキルアップすることが何より大切です。

 

調剤補助員を目指している人は、薬剤師、そして何より患者さんのためになる仕事ができるようがんばってください。

 

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